前ページからの続きです。
ヒビ割れが有り納まりの悪い石鹸入れは撤去して
埋め込み穴は潰します。
穴が深く大きいので水分の極端に少ないバッサモルタルで
大穴は埋めます。
あまり水分が少な過ぎると塊状態が保たれず崩れますし、
水分が多過ぎるとヘタり落ちます。
解りやすい例えでは掻き氷とかシャーベットの粒加減で
手で握り締めてオニギリの形が出来るような練り硬さ加減です。
専門的な生コンの配合、呼び名で例えれば
ヘタリがゼロのスランプ0(ゼロ)と
表現すれば良いかと思います。
当然、不安定な下地作りなので一発では決まりません。
一度は粗埋めしてから20~30分程度放置、時間待ちの後、
再度押し固めて、少ない所は継ぎ足して面直しをします。
セメントを配合したモルタル系の取り扱いでは
基本パターンです。
タイルの厚みと目地セメントの張り代として2~3㎜程度に
表面高さを低くしておきます。
そして2~3時間程度、放置して半磁器タイルを水に浸けて
水を吸わせてから目地セメントをタイルの裏に
4~5㎜程度の厚みで盛り上げて即、タイルを張りつけ、
表面の高さ合せも軽く叩き振動を与えながら
表面の高さを合わせます。
沈み過ぎるとアウトで剥がして
再びやり直しになります。
何度か振動を与えて行きながら同時に
目地の間隔も合せながらの一発合せです。
慣れると面白い手加減の要領と感触で手応えを感じながら
決まってくれます。
やはり下地モルタルが硬化し過ぎず・・
早過ぎずの許容時間帯がありますので
下地モルタルの硬化速度などタイミング勝負となります。
目地セメントの仕上もそうです。
時間的に待つべき時は待ち、早く捌くべき時は
手早く対処する。
セメント系の対処は、やはり時間配分やタイミングが
勝負となります。
目地セメントの仕上は水分が切れ掛けた一時間後、頃に
面直しや押え均しをして、
余計な目地セメントの付着部分はスポンジで
タイル表面を水洗いしながら除去します。
それから2~3時間程度、経過すれば
表面の水分がほとんど無くなり白い粉吹き状態になりますので、
それからタイル表面を布で空拭きすれば綺麗に仕上がり完了です。
タイル仕上はユニットバスやシステムキッチンなどで
かなり使用頻度が少なくなりました。
しかし焼き物素材の風合いや焼結による表面強度など
良い面はかなりありますのでタイル好きの
隠れファンはまだまだ存在し使用は続くと思います。
部分的な補修などは、まだまだ対処機会が多く現れますので
こんなアナログ技法でも今後も必要とされるでしょう。
基本対処のコツは少量のモルタルや目地セメントでネタをつくり
本物の捨てるような不要のタイル4~6枚程度などを
コンクリートブロックの面などに試し張りしては
完成段階で終わったら、すぐ剥して付着モルタルや
目地を水洗いしタイルは再使用しながら
何度か繰り返し練習すれば何年かの現場体験で収得する
コツを僅か1~2日で掴めるでしょう。・・たぶん