玄関内の下駄箱用建具が故障し
スライドチョウバンの取替え事例です。
縦長のフラッシュ建具に片方だけで4個付いています。
そのうち2個が破損し開閉不良でもあり、
後1個が破損すれば扉が倒れ危険です。
この案件では納まり種別では内付け・半被せ・全被せの
3種類から判別し適合種別を決定します。
この現場では半被せタイプです。
このタイプの欠点は約90度付近で建具が枠に当たります。
それ以上あけたり負荷が掛かると金物が破損したり、
固定ビスが抜けたり、すぐ故障します。
直ぐ隣に別の建具が連続して存在する場合は
扉の厚みが有る為に全開はできません。
よって、しかたなく半被せのタイプが使用されます。
クローゼットの扉や家具系なども、よく似た納まりですが
微妙に納まりが異なる事が多いので注意。
扉が本体よりも外付けの被り勝手になる場合は
開閉角度には無理が生じる事になります。
金物によっては角度が大きくなるように
改良されてはいますが、やはり限界はあります。
現実的には1個の金物が破損すると残りの金物は
負荷が増し次の故障は早くなります。
扉側への取付位置の埋め込み穴は
簡単に変更する事ができません。
本体側の取付位置はメーカーによって
微妙に変わります。
むしろビス穴は同じよりも、大きくずれてくれる方が
取替えの場合は固定しやすくなります。
ヘタに近過ぎてビス穴が半分ほどズレていると
ビスの効きが不安定になり外れやすくなります。
現場では下部の方は棚用のスライド金物のレールが
埋め込まれている為に
チョウバン金物の取付ビスと干渉しています。
当然ですが扉一枚に付いているチョウバン金物は
4個のうち2個がまだ破損していなくても
取替えは4個すべてを変えるのが無難です。
それは回転角度のセンター位置が微妙に変わる為に
既存物を残すと歪みが生じる事があるからです。
そして耐久年数の限界も考慮して惜しむこと無く
4個すべてを変えるのが無難です。
現実的には、破損していない物を隣の扉の故障部分と
取り替えて旧式と取替え新品との種別を統一して組み替えてから
補修金物を振替えローテーションする工夫も出来ます。
ビスの止め方は強力な電動工具で無理に締め付けると
バカ抜けになるので手作業で負荷を感じながら捻じ込むのが
バカ緩み防止策としてはベストかと思います。