在来工法の構造で不可解な事例をアップします。
外壁によく見られる切り妻屋根のケラバ側(妻側)です。
良く見れば桁鼻のコグチが変形しています。
普通は外壁面の垂直と平行でなければなりません。
古い木造の建物ですが古くても、こんな激しい
転びにはならないはずです。
新しくても多少は加工精度の違いで、転んだり、
木材特有のクセで変形する事があります。
しかし勾返り(コガエリ)加工していない場合に有り得る転びは、
このような激しい転び角度ではありません。
柱ホソが無くコロ乗せの場合は桁の天場がタルキに打った
釘に引っ張られタルキ下場に、くっ付くような角度で、
こんな転び方なら、あり得るパターンです。
不自然な転びですが、この理由で転んだ可能性が高いパターンです。
同じ建物なら仕事の程度が同じになる可能性が高いので
普通の原因は桁の天場に打つ屋根タルキの傾斜角度に対する
接地面を屋根勾配に合わせて斜め落し加工を
していない場合に、ほとんど、こうなります。
いわゆる手抜き工事とも云われる可能性が有る
見た目が極端に悪すぎる事例です。
柱と桁との差し口であるホソの長さが短ければ、
なおさら桁材はタルキから打ちこまれた釘の
引付効果で引っ張られ接触面に空間が有る為に
桁材が変形します。
釘の引付力だけでは無く屋根の荷重自体が桁の角に
掛かり荷を受ける柱の芯とは位置がずれる為に
断面の姿は少なからず変形します。
とても見苦しい変形となる可能性は、
このように稀に有ります。
しかし、この現場では逆向きの、ひどい転びが
一部では見られます。
下の画像では桁端の垂直線は本来なら
黄色の点線が当たり前ですが現実は赤線。
転びの度合いが激し過ぎます。
癖の強い地松の材料を桁に使用しているなら、
あらゆる角度に変形しますので、こんな、変形も考えられます。
しかしヒネリの度合いが大き過ぎます。
こんな事になら無いようにタルキの当たり面に
斜め落し加工をしますが手間の違いは僅かですが、
結果の差はとても大きな問題として後に残ります。
しかし斜め加工せずに角にタルキを乗せて
釘で止めて桁が角の点当たりで空間による斜めに
引き付けられても反対の角度に変形します。
おそらく柱のホソ長さが極端に短いか・・
桁のホソ穴を間違いでも、あけ直しせずホソを切ってしまって
乗せて釘打ちだけの手抜きかも知れませんが
解体しないと不明です。