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アコーディオン門扉の異例納まり(あきらかに違反行為の大失敗例)

この案件は施工ミスというより

建築関係に長く関わる者としては・・

 

絶対やってはいけない恥ずべき大失敗例です。

どうか反面業者として参考にして頂ければ幸いです。(^_^;)

 

珍しい納まりのアコーディオン門扉取付の事例です。

 

後ではやってはいけない施工の案件だった事に気づきますが・・

割り増しが通用する施工費や建材商品代などの

売り上げに目がくらみ引受けてしまったのです。
 

取付の位置が珍しくもあり無理気味で

不可解な位置に取付を希望されました。

これは、よかれと思い、やってしまった取付後の姿ですが

御覧のように側溝の蓋の上に納めています。

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アコーディオン門扉はもちろん、一部のフェンス柵も同じく

側溝の蓋に位置します。

もちろん着手前の段階で御客様には普通は、そんな位置には

施工はしませんし後で必ず色々と問題があると思うので

本当に間違いないですか?と問いただしました。

御客様の理由では側溝が自分の敷地内として

登記簿に記載されており完全に私有地との事。

文句がでたら責任は発注者の自分がすべて持つし

不法駐車や不法侵入などが有り出入りを遮断する

門扉やフェンスなど垣根が必要な色々と理由が有りました。

 

それにしも位置が道路側に出過ぎなので側溝の

敷地側ギリギリでも良いのでは?と力説しましたが・・

 

登記簿上の境界線位置では、これでも余裕の位置に控えているとの

敷地有効利用としては、もっともですが・・

 

それにしても傍目に見れば側溝が私有地に含まれているのが

事実でも部外者は登記簿を見る事もなく

道路に当然含まれていると見える側溝の上に設置は

・・明らかに越境行為、丸出し!
 

かなりクレームリスクが高いのを説明と自己責任確認をしました!

・・が、警告は却下され御依頼が確定。売上の誘惑に負け承諾。

 

しかたなく外しやすいように仮置き納まりの様な感じで倒壊しない程度の

納まりや強度で施工しました。

もちろん施工後のあらゆるトラブルに関しては施工者責任は

負いかねますと念は押しました。←逃げの口実たらーっ

側溝のコンクリート蓋を一旦、外して門扉支柱の固定を差し込み式で

側溝内部にアルミ角材を切り込み支柱の根元を固定し

地表面は側溝のコンクリート蓋を切り欠き
ハサミ込みで固定とします。

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側溝のコンクリート蓋を外したり入れたりは脚立に

チェーンレバーロックで吊上げするのが簡単でした。

 

当時使用していた古い丸パイプのスチール脚立は

現在ほとんど使われなくなりましたが、まだ一部有ります。

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門扉の支柱を仮止めのままでは頼りないので

フェンスのアルミ格子で既存の建物に繋ぎ安定させます。

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建物との転び止め接続で道路側に倒壊しないように安全策。

 

それでも道路近くの側溝の上に、このような施工は

・・堂々とやれる事では有りません。

 

しかし御客様はとても喜び事情を知っている御近所の方も・・

(良くなったわねぇ~これで安心ね!)との評価。

 

後は知りませんよ!もし何かあったら責任は貴女方で御願いします・・

 

と心だけで思いながら、そそくさと撤収!←逃げ足が速いたらーっ

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開口距離が長いので両引き分け納まりです。

 

ちゃちな安価なタイプは道路際に曲がり易いので

鋼性の高い商品はグレードアップで高く御客様は好みの型だし、

それでも良いとの事で売上に貢献した建材。

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反対側は化粧ブロックの一段積みにアルミフェンスで囲いますが・・
とにかく側溝蓋の上に据付納まりなので違和感があります。

以上で特種な条件の変則納まりを終えました。
 

 

※ちなみにこの無理な納まり現場は数年後に道路を通行する人などの、

 たぶん通告などにより、自主的にか?又は建築基準法道路法などで

 勧告か命令などで撤去されたのか?わかりません。

 

 当時は安易に引き受けしましたが今では、いくら施主様が自己責任を

 持つと言われても施工を安易に引き受ける事はしない方が良い例です。