一般住宅のトラブルで関わる事が多いのは、
やはり設備工事関係です。
経年劣化や不可抗力により困った事になってしまうのは
致し方ないです。
しかし人為的な対処の違いで
大きな影響を及ぼすのも設備工事。
なぜ多能工・職が必要なのか?
・・と確信を得る、きっかけになった事例の一つです。
とある現場で、あらたな給水、給湯の配管工事は
専門業者に外注していました。
不確定要素をはらむ地盤を相手に対処する配管の埋設工事は
常にリスクが付き物。
それを踏まえて取り掛かりますが有る程度は現場での状況判断で
おおよそ事前に予測がつく事が多いです。
しかし・・下図の無残な姿は設備専門屋さんが
給水、給湯配管施工した後に不審に思い私が調べた結果です。
当時現場では各々、得意分野の役割の分担作業で関わっていましたが
施工時の過程や、なにげない態度が疑問で既存配管の破損が、
とても気になったので後で掘って調べると↓各所に
穴あきミスが有りました。
様子に疑問を抱いたのは少し残っている土間コンクリートを
ブレーカーハンマーで解体する過程です。
ハツル時にブスッ・・ブスッと不用意、無計画に深く
ブルポィントの先端を沈めていたからです。
埋設物の破損を予測してハツリ工具の先端部分を
不用意に深く突きたてない手加減はプロなら常識。
しかし、うっかりミスするのは誰しも有る事で
失敗自体は、しかたがありません。
問題はその後の対処でした。
埋設物の破損ミスをすれば経験者なら作業時の
貫通感触など体感で作業者、自身が、もっとも察知するはず。
そんな無造作にブスッ・・ブスッと地盤に
深く突き立てて大丈夫か?と様子を見ていると・・
途中で顔色と態度が変わったのです!・・が
・・外注さんは、そのまま続行。
破損ミスの報告も無しで知らんぷりで終了。
立場が変われば事情は解ります。
私自身も様々な事で似た様な事は覚えが有ります。(^_^;)
似たような事を、やらかし、経験した者は・・
そんな様子になっている場面ではハッキリと判るのです。
他の例で言えば交差点を黄色から赤になりかけでも突破した時に
偶々オマワリさんを発見すれば自分は気がつかなかった振りで
通過してしまう・・アノ心情(笑)。
人目の有るところでウッカリ転んでしまい体を強打しても
知らんぷりして起き上がり目線を合わさず過ぎ去り見えない所で
我に振り返り過ちと恥ずかしさと痛さを思い知る(笑)・・など。
施工ミスが有っても、その場か後でも
報告・相談・連絡・・があれば何でも無い事でした。
施工監理の立場としての、こちら側も、その時点で
問いかけ指摘すれば良かった事です。
当時は、こちらの勘ぐり過ぎなのか?・・
疑心暗鬼の状態なので、なにも言わず後で掘り返して思惑が的中!
まるで鬼の首でも取ったように、なぜか衝動的に自分で補修。
相手に手直しして貰えばそれで良かった事を。
しかし・・不信感とプロとしての対処の仕方に不満が募り・・
想いが大きく変わってしまいました。
外注しても、こんな事になり御互いに後味が悪くなるなら・・
そして請負者側の最終責任として
尻拭い、しなければならないのなら・・
可能な事なら頼まなくても「自分でやった方がマシッ!」と、
一見、良さそうで・・悪いパターンにも、なりがちな
関り方針に陥ったのです。
それでも長年の結果論では出来る事は他人に依頼し
仕事の捌きを優先にするのが得策です。
多能工・職の、なんでも屋はマルチ対応を目指すのは善さそうでも
判断を誤ると採算割れや非効率が多くなります。
自分の対処力に自己満足してしまい
他者との協合対処の方が断然、色々な面で優位性が有るのを無視しがち。
よって事業経営的にも優先順で大切な部分の判断を誤り
採算性にも経営圧迫のジリ貧問題となりがちです。
しかし、そんなやり方にどっぷりと浸かってしまうと多様な関連職種で
未知の領域をたくさん味わう事にもなり新鮮でも有り、簡易な雑務から
特殊な専門職まで、それぞれの業種で幅広く奥深さを知る事になります。
そんな魅力的でも有り、判断を誤ると採算的には危険な領域へ関わりは、
ヘタすると器用貧乏で生涯を終えます!
この辺りが・・万芸は・・無芸に通ず!・・と戒められる所以でしょうか?
それでも外注して施工監理するだけとは違う実際に施工領域に手を付けて見て
体感をもって知る特殊な多能工・職に、ふさわしい役割と利便性が
確かに有る事を知る事もできました。
それでも何でもかんでも万能で対処できる訳では無く
外注先・他者との協合対処の判断や併用が重要です。
ちなみに、その時の設備工事の外注業者さんは懲りて、他の業者に
切り替えましたが、・・不思議に似たような事は起きます。
やはり自分も含め完璧な人は居らず、諸々の想定リスクを踏まえた
関りが必要でこの課題は永久に続きますし・・大した事では無いです。
以上が多能工・職の必要性を確信した切っ掛けの一部の事例でした。