前ページからの続きです。
内壁タイルの重ね張りへと進みますが
割り合せの墨付けが終われば後は切断要領さえ有れば
誰でも張れる段階です。
エポキシ接着剤は2液タイプで主剤と硬化剤を
指定割合で練り混ぜます。
大事なのは練り混ぜてから放置できる時間に限界がありますので
短時間に使用できる量だけ混合して接着剤は作ります。
必要以上に練り過ぎない事です。
切断しなくても良い規格サイズのままを、まず先行して張ります。
張り付けの場合は上から下に向かって仕上る場合が多いです。
下から上へ向かって作業しても良いのですが、なぜか上から先に、
張る方がやり易いです。
多分、接着剤などの垂れ落ちなどで張ってしまったタイルを
汚してしまうリスクを防げる事が大きいのが理由かと思います。
左官材料の塗り壁仕上げも同じ理由で、ほとんど上から塗ります。
向かって右側は粗張りを、↓すでに終えています。
端の切断する部分は微妙にサイズが異なる場合が有るので
大きいサイズを張り終えてから
採寸し現場の変化に合わせて切断する必要が有ります。
タイル材料は窯業系の焼き物なので厳密には
サイズムラがあると思った方が良いです。
半磁器タイルは生産工程も綿密で精度よく作られているとは思いますが
焼き物系はサイズにムラ有っても許容範囲で、
あまり目立ちはしませんが厳密には違いを把握しておきます。
よってスミ付けラインへの合わせ方は中心位置では無く
水平方向では天場ラインとか、垂直ラインでは目地の右か?左合せか?
の合せ勝手を決めて張っています。
これはコンクリートブロックやレンガ積みなどでも
共通のノウハウです。
下の方は柄物の飛び飛びパターンで張る事にしました。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
このパターンは、あらかじめ御客様の好みを御聞きしておき
仕上がり説明図などで確認しておく必要があります。
施工者の好みで勝手にデザインしても肝心な御客様の好みに
マッチするか?否か?は別問題で、とても重要な事です。
いくら任せるからと言われても簡単なスケッチなどで
仕上がり予測を図などで示し
仕上りイメージを確認して貰う必要があります。
材料の色好みなどは言うまでも無く現物確認が
事前に必要であります。
その時も単品見本と施工後の広範囲面積で見た現物の色は
単品や部分的なサンプルで見た時とは
大きくイメージが異なる場合があります。
施工後は全体色が薄くなる場合と濃くなる場合が有り
条件によって異なります。
この辺りは色彩コーデネートの分野があるほど、
かなり難解な部分かと思います。
商業関係や特殊な好みが絡む現場ではとても注意が必要です。
一般住宅で事前に柄物パターンの仕上がり予定図を確認してもらい
着手した、この現場でも柄物パターンの枚数や位置に関して張った後から
変更の申し出があり一部分の手直しが必要となりました。
そして重ね張り特有の既存下地の影響によるデコボコが
諸に現れます。
目地ラインの曲がりが、やや目立つ所も有り目地仕上で
解りにくくなれば、そのまま仕上ますが
酷い所は剥がして手直しする必要が有ります。
この点が重ね張りの欠点となります。
デコボコが引っ込み勝手の場合は調整剤の付け足しを、
すれば良いので、まだやり易いです。
問題はポッコリと出っ張ってしまった部分です。
これらの修正を次のページでアップします。