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雨洩り工事2(戸袋からの原因事例)

古い二階建ての住宅で1階の天井に雨洩りする場合の事例です。

雨戸の戸袋が雨洩りの原因としては多いです。

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アルミサッシ窓に木製雨戸と戸袋後付けの昔は

良く有った納まりのパターン。

下の画像はサシガネ工具の巾15㎜厚さ1㎜長さ50cm程度の物を

黄色い矢印方向に差し込み隙間の確認をしている場面です。

 

差し込んで簡単に上下に出し入れできる隙間が有ります。

 

厚さ1㎜程度の物が差込できる隙間は位置や条件次第では

雨洩りしやすいです。

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地域によってはカイ出し口と呼ばれる雨戸の出し入れ部分なので

雨戸建具が有れば重なって見えません。

建物の外壁なのに、こんな防水不良の納まりが

元々から有ります。
 

雨戸を、ずらしてみると壁面材は板金では無くベニヤ板の場合も多く、

さらに耐水合板ではなく普通合板を使用している事が多く

経年劣化で合板の層が剥離し腐食し防水不良となります。
 

対策としては雨戸を使用しないなら出し入れ口を密閉し

防水処置をすれば簡単です。
 

雨戸で隠れて見えにくいし直接雨が当りにくい場所ですが

暴風雨では簡単に雨水が入ります。

見た目でベニヤ板だけ張ってある場合は、

ほとんどが雨洩りの原因です。

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この部分では通常は板金の平板で壁面を塞ぎ雨仕舞いをします。

 

さらに吹き込んだ雨水を戸袋の底付近の水切り板金で

雨洩り対策が出来る納まり方法が有ります。

しかし大工さんは戸袋製作途中では面倒くさくなり

板金で防水納まりが必要な事をパスしがちです。


板金屋さんも捨て谷や水切り板金の取付工程から外れがちな

この場所は自分からは注目せず、大工さんや責任者から

要求がない限り、自ら進んで気に掛ける事はしません。

この辺りが御互いの責任領域と重要性が曖昧になる

グレーゾーンの部分です。私も覚えが有ります。(^_^;)
 

なお1階の雨戸で同じ納まりの場所なら、たとえ雨洩りしても

基礎とか床下なので放置状態です。

雨洩りしていても部屋に漏れるのではなく外部で

見えない場所なので大騒ぎはしません。

 

しかし土台付近は水腐れし、それらが原因となり

白蟻被害に発展もします。

 

降雨時に吹き込めば、まず下枠で雨戸用レールの溝が

雨水の溜まりになります。

その溜まり水は真横に流れて行き戸袋の中へ

垂れ流しとなります。

反対側の戸当たり側へも流れますが戸袋の中よりも

漏れにくいです。

しかし戸当たり枠にレールが突き付けられていれば、やはり

水溜まりとなり処置がわるければ雨洩りしますが普通は、

想定しておりレールを離して水やゴミ抜け処置を設けます。
 

この現場では御客様は雨戸を使用したことがないし今後も

使用しないとの事で、戸袋自体を撤去してもらっても良いとの事でした。

 

戸袋本体の解体撤去は手間と費用がかかり過ぎ、納まりも悪く

不経済なので、古い建物なのと何れ壊す予定なので
簡易処置としてカイ出し口を塞ぐ事が簡単で

防水効果も有効なので、それを選択しました。
 

同じ現場で他の戸袋部分で雨洩りのヶ所が有りましたが調査の結果、
位置関係で原因はすべて同じ状況です。

 

下の画像は逆勝手の別場所ですが同じ状況。

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あとの場所も同じ方法で出し入れ口を塞ぎ雨洩り防止の対処をします。

出し入れ口を塞ぎ雨戸を使用しない施工途中や仕上げ後の画像は不明の為

別の機会が有りましたらアップしますので悪しからず。
 

この案件では色々な基本ノウハウが必要となります。