前ページからの続きです。
同じ賃貸コーポで入退去時のメンテナンス事例です。
床のCFシートで、かなり痛みが進んでいます。
玄関の上がり框付近も劣化して硬化、収縮の素材が捲れ気味で
接着は下地の合板表面が不安定なので固定不能。
所々、ステン小頭釘で無理やり打ち付け押えの
最終手段を講じていますが限界です。
壁際の巾木廻りも浮いています。
継ぎ手部分は最初からシームシーラ液で接着していなかったのか?
劣化の為か?離れて目違いとなり浮き上がり気味。
やはり所々、ステン小頭釘で打ち付け押えはしていますが限界です。
連続で釘打ちすれば押えられますが目違いより
釘頭の連続が見た目に悪過ぎ。
これ以上の暫定処置でメンテナンスするのは無理があります。
同じ棟で似たようなCFシート状態で張替となった、さらに別の
理由例としては使用者責任と言える家具のキズ跡が目立ち過ぎる
下の画像のように↓、こんな痛み跡でした。
重いテーブルで金属性の丸座の金物が長期間定位置にあったらしく、
こんなキズ跡が残ってしまっては消えません。
たまたま他の部分が耐久性限界による先のような硬化、
収縮、浮き離れが見られたので
入居者責任は問わず張替となりました。
こんな置物による原因とは別に定例化して硬化、収縮、浮き離れが
発生するのはCFシートの宿命ばかりかと思えば・・
決してそうでは有りませんでした。
この賃貸物件の長年に渡るメンテナンス経歴の途中で、
その実態が判明しました。
二階建コーポですが同じ建物なのに
CFシートの痛み方は二階と一階で大きな差がありました。
一階の方が傷み方が共通して酷いのです。
一般住宅でも言えますが二階よりは一階の床が地盤からの
湿気を受けやすく床下環境は悪いので最初の判断では
仕方が無いとは思いました。
しかし・・ある施工途中の機会に
美装工事が必要で、それはオーナー様が直に手配していました。
室内清掃の外注業者さんと現場で絡む事があり
手順を、それとなく観察していました。
清掃専門の美装工事グループは女性中心の3~4人編成で
良く見かけるテキパキした対処。
ところが・・
一階のCFシート床に対しては水道ホースで水を流しながら
奥から洗浄タワシでゴシゴシと勢いよく洗いはじめて
玄関先へ向かい洗い水を流して掃き出しています。
店舗の土間清掃で見かける光景です。
汚れ水は玄関ポーチの外へ手際よくホースで洗い流し
綺麗にCFシート床の水洗いは、とても早く済ませ
その後は空拭きしてワックス掛け仕上で完了。
水道ホースで水を流しながら奥から洗浄洗いにはビックリですが
私はオーナーでは無いので異議を問う間も無い状況。
二階ではなく一階なので多少の水漏れが有っても床下は地盤なので
問題無しと思っての事でしょう。
完全密閉で防水対処できている土間コンクリート下地などなら、
それも有りでしょうが・・
木製下地の鉄骨構造コーポでは例え一階と言えども
水道ホースで直に床を水で流しながら掃除は禁じ手のはず。
おそらく室内清掃の外注業者さんは他のマンションや店舗物件の
一階部分と同じ下地がコンクリート感覚で床を水洗いをしている模様。
古い木下地のCFシート床は徐々に隙間が空き、そこへ
水道ホースの水洗い処置をすれば、
硬化、収縮、浮き上がりは増すばかり。
その様子をオーナーに説明はしましたが
時すでに遅しでした。
次に続く。