前ページからの続きです。
屋根の瓦は簡単に剥がして調査しても根本的な原因は分かりにくいので
雨洩りしている場所の天井板を剥がして直接、原因を確かめる事にしました。
廊下の天井で、さらに奥なので剥がした跡の補修材が
色柄は合致しなくとも影響は少ない場所。
今後の維持管理の為に点検口も造りたいので遠慮なく
目スカシの目地を境に古い天井板を撤去。
屋根裏を観察すると横谷が丸見えです。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
上の画像は反対側の横谷で先に集水器のオーバーフローで
雨洩りした所の解決済み付近。
下の画像は今回の雨洩りヶ所である横谷で反対側と同じ納まりの
銅板、横谷本体の底が丸見え。
底板の木材下地がまったく無いので吊っているだけです。
屋根の歩行時には定番のノウハウとして
「屋根上から谷板金の底を踏むな!」・・の鉄則で
陥没、歪みが簡単に生じます。
谷板金に限らず瓦棒板金屋根の平部分にしても同じです。
板金の下は強度が当てにならない事です。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
屋根の小屋組構造は本来は桁となるべき横架材は所定の高さに
有りますがタルキは延長せずに手前に控え母屋材を設け
谷板金を挟むように抱かせています。
この一番母屋がタルキを掛ける桁替わりの横架材として
屋根の軒先を受けています。
現在の桁材にタルキは掛からずとも外壁立ち上げの間柱を
上部で受ける目的での二階建てに例えれば
胴差し的な役割の構造物です。
横谷板金を落し込み挟んだ状態は横谷が長い為に水吐けの傾斜勾配が
必要なのでタルキ鼻を切断して落し込み段差を付けるのは
妥当な納まりなので、これで正解だと思います。
しかし屋根材と外壁材の接続がタルキの切断によって
縁が切れる為に建物構造の小屋組としては
強度的に多少は不利となります。
このように無理が生じるので
「横谷納まりはなるべくするな!」・・と昔から云われています。
小屋組では梁の取り付きや火打ち梁などが桁材に接続されて
耐震的には繋がっています。
建築確認申請では、まともに通過しています。
しかし・・無理は、どこかで現れやすい。
天井板を剥がした真上の小屋梁には・・やはり!
・・雨洩り跡が残っています。
やはり瓦屋根の納まりによる原因が濃厚なので再び屋根瓦を、
もっと剥がし直し積極的に原因究明が必要となりました。
・・次に続く。