前ページからの続きです。
再び屋根瓦を剥がし軒先の横谷板金付近を見ても
ルーフィング下地に雨洩り跡はまだ見えません。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
しかし・・良く見ると板金の重ね順番が怪しいので
下の画像では触ってみると・・
捨て谷、板金の横面に軒先の唐草水切り板金が突き当たりのままで
下に入り込んでいない。
端を折り曲げているだけ。
板金を浮かして詳しく調べると・・下の画像のように
解りにくいですが・・
横谷板金に捨て谷板金を仕込んでいる重ね部分が
突き付け切りのままで防水不良。
コーキングも無しで切り込み欠損が有ります。
やっと難解な雨洩りのハッキリした原因を発見。
失敗の素を発掘しました。
軒先の唐草水切り板金を大きく剥がして横谷板金を見るとヒレが無く
野地板側に曲げてサカノボリがまったく有りません。
板金を立ち上がりだけで谷側に折り曲げて水返しは良いのですが、
それならば軒先の唐草水切り板金は捨て谷板金を取付前に
延ばして被せる必要があった。
それとルーフィング下地の軒先長さが短過ぎて途中で切れています。
軒先の唐草水切り板金の先端まで延ばして張り、それから
捨て板金を被せれば雨洩りはなかったはず。
以上が詳細ですが・・
多分、文章と平面的な画像だけでは解りにくいと思いますが説明の限界です。
どうして・・本手の専門職の板金屋と瓦屋の二つの専門職が関わりながら
大切な部分の納まりが不十分になってしまうのか?
すべての職人がそうではないはずですが・・
しかし・・反面業者さんの貴重な作品は、・・決してムダばかりにはならず
「多芸は無芸」と言う戒め・・
と云われる中に潜むとても大切な所ばかりを組立て指針にすることで
多芸(万芸)は一道に至る・・に関わる者には・・お宝ともなります。
他の職種でも言えますが異種の関連部分には、
こんな手落ち仕事が稀に起こります。
原因が明確になれば出口付近の隙間をシリコンコーキングして
防水処置を施しました。
集水器を外して外壁から横谷板金の内部を見た所です。
先程の根本的な原因だった所の納まり不良に対して行った
シリコンコーキングの跡が見えます。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
上部の瓦下の板金突き付け付近も
シリコンコーキングで塞ぎます。
長い期間と人数や回数を重ねて探っていた原因の一部は、
たったこれだけの事でした。 (^_^;)
やはり現場では触ってみてアクションを起こすと
体感やインスピレーションで感じるヒントが有ります。
後は瓦も葺き戻して納めて屋根の補修は完了。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
次は剥がした天井の補修に続きます。