前ページからの続きです。
簡素な小屋組にした骨組での建方工程も、
ほぼ決まりかけの状態です。
この状態で転びを直して仮筋交いで固定するのが無難。
各所のボルト締め付けの後には垂直が自然に
ほぼ決まってくれるのが理想です。
とくに柱に対して胴差しや昇り梁を差込み組付けして
引付ボルトで固定する場合は仕口加工が正確なら
自然に垂直が決まって当然なはずです。
差し口部分で仕口の設置面積が大きいほど決まりやすく
既存建物との取り付きも重要で、すでに多少でも
転びがある場合は、その接し方には微妙な調整が必要となります。
設計の段階で、各所の納まりは確定していなければならず、
成行まかせでは失敗となりやすいです。
水平・垂直・屋根の勾配での取り付きなど
位置決めと納まりの変化には正確さが必要。
それでも取り付き部分の施工に掛かってから
アクシデントは稀に起こります。
モルタル壁を剥がせば取り付き相手の柱が有ると思ったら無かった、
位置がズレていた・・など
配線・配管が有り仕口が出来ないとか・・様々。
この辺が新築には無い、増改築には有る、既存との取り合わせでは
とてもアバウトな変化が大きく、そこが興味のある、面白い処。
粗建ても終えて屋根、取り付き部分の既存外壁を切断し
モルタル外壁の一部解体へと着手。
既存外壁への取り付き納まりが悪いと雨仕舞いの対策不足で
雨洩りとなります。
通常はモルタル外壁の裏に貼ってある防水紙の裏まで接続の配慮に
対処していればと思いますが、それでは台風などキツイ吹き込み時には
水の切れが不十分となります。
水返し対処は奥深く、出来ればラス地板の裏まで防水の配慮がほしい所。
さらに水切り板金などの立ち上がり高さも5cm以上で防水処置が必要。
※当時は、この程度の認識でしたが現在は10㎝以上が安心高さ。
増改築のトラブル原因は、この工程のような、
取り付き部分の納まり不十分が多いです。
雨洩り修理を何度もこなしていても、まだまだ未熟なレベルだと
・・この現場では後に気付かされる事になります。(^_^;)
熟練者であっても有る程度の経験年数に達した頃から学習能力が衰退し
経験回数に判断力の精度やリスク回避策の成功率が比例しなくなります。
年齢的には60歳以上になれば期待外れの施工ミスが多くなります。
自信過剰な自分の想い上がりと現実に起こってまう失敗結果の実態では
(こんな失敗はしないはず、だけど・・)となりギャップが出てきます。
そこで必要なのが他人の意見や相談を多用し
ヘタなプライドは捨てる事・・などが賢明のようです。
次に続く。