洋風の床板仕上げが古く傷が多い場合は重ね張りが
可能な場合が有ります。
12㎜の厚さを重ねて床の高さが上がっても他の部分に
納まりが付く場合は
剥がす必要が無い場合は重ね張りがお勧め。
高さで敷居から飛び出したり開け閉めするドア建具の下が
当たるならドアの下側で削り取りが必要です。
張る前には既存の床鳴りが有れば、浮きだけならビス止め
などで解決しておかなければなりません。
床下の問題なら一部を切り抜いてでも根本的な床鳴りは
解決していなければなりません。
ワックスなどが付いた古い床表面はケガキ処理しなければ
接着不良になり後で歩行するとパキパキと異音がします。
ケガキ傷付けると接着効果が増します。
別な例えでは生け花で使用する剣山などで
ブラッシングする感じです。
電動工具やサンドペーパーなら、とても粗い目の#60以下などで
表面を擦るのが有効です。・・が、かなり粉塵が出ます。
張り方には床張りも天井張りも同じですが、やはり張り始めの
位置、ラインの判断や決め方が
最重要の20%とも言える後の80%の出来を左右する大切な領域です。
この段階が曖昧になると途中でもピッタリと合いにくく
最後まで影響が続き、ますます悪くなります。
最初のスタートは既存の壁面やシキイのラインは部屋全体に対して
平行や直角、または真っ直ぐとは限らず
歪んだり曲がったりした状態を最初の一枚目が部屋全体に対して
真っ直ぐなラインになるように全体の方向性を決めてから
各所で接する、各所ごとに色々な変形を写し取り部分的に合わせた加工をします。
取り付き部分の加工は、そのような取り決めをします。
※余談ですが
ただ単に突き付けてスタートしても偶然合う事も有りますが稀ですし
途中で気付いても取り返しのつかない大失敗へと繋がります。
このスタートラインの決め方と取り付きの変形条件を写し取り
加工をする基本ノウハウは床に限らず天井や壁や外壁、屋根など
すべての業種の、ある段階の対応では共通ノウハウとなります。
※本題に戻ります。
重ね張りで問題となるのが掃き出しサッシの下枠付近での納まり対策。
簡単に済ますなら飛び出した角はカンナでコグチを削り面取りしたままか、
丁寧にするなら表面の色に近い着色塗装とクリヤー仕上げか、
又は、12~15㎜角のヒモブチ化粧木材か
三角形状で巾の狭いスロープ部材を端に打ち付けるか、など。
一番自然なのは下図のようにアルミのアングルを張付けが
違和感がない納まりとなります。
壁際など突き付け部分は苦労しながら削り合わせも可能ですが、
どうしても隙が出来れば内装カラーコークでシーリングすれば
床材との色合わせがマッチすれば目立たなくなります。
水性系のコーキングなので対処時間以内なら水拭き均しで
綺麗に仕上げられます。
細過ぎず、太過ぎず・・他の部分にベタヨゴレ付きに
なってはならない時は養生テープで防ぐなど
丁寧に仕上げると上手く行きます。
シーリングした後に直ぐ埃がたつ掃除をするとゴミが付着するので注意。
直張りだけでは納まらない場合は別な内容となります。
玄関ホールでは問題となるのが上がり框との納まり。
床の厚さだけ飛び上がりますので専用のL型の後付け化粧框を付けるか?
バリアフリーで2~3㎝上げる必要が有れば下地も合板の捨て貼りなど
高さ調整し別な上がり框を加工して抱合せも可能です。
上の画像はバリアフリーの為に2~3㎝高さを、かさ上げして
合板を捨て貼りして仕上げの重ね張りしている最中です。
これらは、またの機会で全体の工程をアップできたらと思います。
以上が木製床板の補修の場合で標準パターンの各種参考例でした。