トイレの洗浄排水した時にトイレットペーパーが浮いてくるとの
トラブルで調査した時の事例です。
時々、すんなり排水できずペーパーが戻るらしいので
汚水管の詰まりかと思いましたが中から流した状態を
外のインバート桝で流れを見ても流れは正常で詰りは無しでした。
便器の取付部分に異物でも引っ掛かっていて時々詰まるのか?と思い
便器を外そうととしたら・・
ビクッとする状態が待っていました。
便器にヒビワレが、あちこちに有ったのです。↓
解りにくいですが左の方で↑縦に長く割れが有ります。
固定ボルトを締め過ぎたのか?
製品上の問題なのか?解りません。
違う場所でも細い巾ですが、薄っすらと長くヒビ割れが有ります。
その他にも色々な場所に有りますので
多分品質の問題かと思いますが原因は不明。
取扱いを誤るとパリンッ・・バキッと破損する恐れがあります。
こんな場合は、状況を直ちに施主様に報告し、今後触る場合は
壊れて取替の可能性も伝えます。
了解を得たうえで慎重に外してフランジ金物の接続状況を確認しましたが
異物の引っ掛かりは無し。
慎重に便器は取付戻しして、取付ボルトは締め過ぎずに
便器を戻して固定する時には割れることも無く一安心。
排水不良の原因を一呼吸おいてから、さらに調べると便器の縁から
流れる洗浄水が少ないのを発見。
上からは全く見えない便器の縁廻りの内側に小さな噴出口が
たくさん開いています。
その穴が凝固物で塞がれ気味でしたので、千枚通しのような
工具の刃先で欠き落としました。
すると下図のように歯石のようなカルシゥムが固まったような
堆積物がかなりパラパラと落ち、↓
その後は水の噴出量が増えました。
その結果、トイレットペーパーが浮き戻りするのは、
ほとんど解決しましたので、これが原因だったような可能性が高いです。
便器のヒビワレも、もしかしたら成分のカルシゥムが多過ぎて
白華現象エフロレッセンスかも知れません。
タイル張りの表面に白い塊が流れて鍾乳石のように付着して
汚れたり盛り上がる現象です。
未だに、ひび割れ原因のハッキリした原因は解らないままの事例でした。