和式水洗便器は足腰に負担が有り高齢者には使いづらいので
腰掛便器に取替改造の御要望です。
中間に大小便器の間仕切り壁とドアが有りましたが、
すでに取り壊し撤去した直後です。
和式便器の上に天袋が付いていますが
壁や天井、窓はそのままで床付近だけ改造。
腰壁のタイルは一部の割れや剥がれの張替え補修だけで
全体は残します。
床はモザイクタイルで古く痛みも有り
汚水管の改造が必要で床は壊します。
洗浄便座取付予定の為にタイル腰壁には
電源コンセント埋込の穴あけをします。
足元が安定している時にゴミが出る事は
先にやっておくのが、やりやすく後が早いからです。
配線は近場に有る既存コンセントから分岐して
配線を延長して床下や壁の裏側などから導きます。
壁の中身は土壁なのでコンクリートブロックなどとは違い
配線の貫通穴は容易にあきます。
大小の便器や床のモザイクタイルとモルタル下地も解体撤去。
この工程が一番、ホコリやゴミが発生しますが下地が
木製なので剥がれやすくコンクリート下地の埋込とは
異なり解体は、かなり容易です。
床下地板も剥がし根太や根太掛けなど
床組み構造は信頼できるので一部の補強だけ。
汚水管や給水管の移変は特に問題も無く
スムーズに完了しました。
根太は古い物に重ね乗せで新規の床高さに
丁度、良くなります。
床下地の合板も張り終えて足元は落ち着いてきました。
床仕上げにはCFシート張りです。
タイルの補修が床より後になり工程が前後しますが
後廻しの方が、やり易い事が有ります。
タイルの部分的な補修で目地の隙間調整は
CFシートの厚みがベストなので挟んで仮り止め接着。
目地仕上げはセメント系と白色のシーリング系と何れかで選択。
床との際はセメント系の目地では剥がれやすいので
シーリング仕上げです。
解体撤去して配管改造と床やタイルの補修などがスムーズに行けば
1日目は便器の据付で当日使用は可能。
タイルの接着後は時間待ち養生などが必要で、ダメ仕舞いは
翌日に残してトイレ臨時使用まで進めました。
出入り口は既存、床との取り合わせはステンレスの
への字押えバーを取り付け。
翌日は袖壁の撤去跡で柱キズか有った面には
薄い付け柱を接着貼りして既存色に着色仕上げ。
高齢者様の為に手摺も取り付けて完了。
タオル掛けなどは古い物がまだ使えそうで好みらしく、
そのまま利用して欲しいとの事で再利用。
この辺りは人それぞれです。
御客様によって部分的に価値観は異なるので
合わす必要があります。
交換の是非は、まず確認が必要です。
その上で耐久性の限界や納まりなど諸条件で不利な場合は
参考の為に助言し、その上で再利用か?
新たな物に取替が妥当か?判断をして頂きます。
しかし、相手によっては、そんな事は、
いちいち素人に聞かなくてもプロで判断して欲しいと
思われる方も稀に居られますが捨てても良さそうな物でも
特別な想い入れが有る場合も時には伺えます。
・・念のために聞いて確認が無難ですね。
なんとか無事に予定通りに完了して
御客様は大変喜ばれました。
うまく行った結果を味わうたびに
多能工・職に関わる満足感と遣り甲斐が持続します。