作り付け収納棚を自由サイズで作ります。
勝手口の内部に袖壁が有りますので、そこへ取り付けて
色々な物を保管したいとの御要望です。
既製品では、まったくサイズが合わないので
パネル作りからオリジナル制作します。
既製品の化粧ボードは販売されていますがサイズが中途半端なので
手間は掛かりますが最初から作れば、どの程度の歩掛りなのか?
容易さ、困難さを確かめる為に制作します。
中空パネル仕上げなら芯材を入れて建具のフラッシュパネル仕様も
可能ですが厚さは薄くプレス機械が無いので、
簡単に一番安い12㎜合板を芯にします。
ランバーコアが安定していますが原材料は割高です。
箱組なので狂いやすいですが12㎜合板に両面ポリ合板を接着し
化粧パネルを作ります。
コバは専用の樹脂テープの接着張りです。
プレスとは違い全体の圧着は不可能ですが
コグチ付近だけでも念入りに圧着します。
当時はクランプなど専用工具の数不足なので他の代用品で
締め込みしましたが・・今一ですね。
一日、放置し接着後に棚受用のダボ穴と
組立用のビス穴を先にあけます。
背板の小穴シャクリ溝加工も終えて
横材は仕上げ切断して完了。
横板パネルだけは専用のテープも先に張り終えて
糸面取りも、先にしておきます。
手順前後になる方法なので、それなりに手間は掛かります。
側板の外面はビス止めで箱組をしてから
ポリ合板を後で接着します。
これなら外からはビス止めの痕やビス頭を隠す
化粧キャップが、まったく見えない仕上げです。
面倒ですが組んだ後から外側のポリ合板を接着し
改めて圧着し時間待ちとなります。
接着してから正面のコグチをカンナで合板の
目地払い削りをしてから専用テープを貼ります。
それが終えたら現場へ取付して固定用のビス頭は、
見えても仕方ないので化粧キャップで隠します。
なるべく、止める位置は効果的な場所で本数は
見栄えが悪くならないように最小限で固定。
上は↑勝手口の外から見た取付後の姿。
下は↓室内側の違う角度からの納まりです。
壁面とはピタッと付く所や隙間が有るので全体を
内装コークでシーリング仕上げします。
室内からは丸見えの側板にビス跡が、まったく見えないので
綺麗でスッキリしています。
真ん中だけが固定棚でビス止めしており動きません。
その他、四段は可動棚です。
金属のダボ金具に乗っているだけです。
地震の時に前方に飛出し防止の溝加工はしていません。
最近では樹脂の飛出し防止機能付きが主流ですが、
当時は、まだ高額で採用していません。
御客様は現場にピッタリで御希望通りのサイズなので
大変喜ばれました。
制作過程では現場の納まりに合うのが利点で
オリジナルの良さは確かに有りました。
しかし製造コストは、やはり大量生産しない限りは、
採算には合わないですね。
現実に施工したら、どの程度の歩掛りなのか?・・
それと困難と容易さの実感を得る為の、お勉強仕事。
実働データーを残しておけば、いずれは、なにかの為に、
役に立ち活きるのではないでしょうか?。
・・などと思いながら集めた歩掛りデーターが
膨大資料として、今は埋もれています。