レンガタイルの続きです。
同じ色柄の物は調達不能でしたが窯変なので元々、色むらは有ります。
濃い色番の物が有りましたが黒過ぎたので薄い系にしました。
年月が経つと黒ずみ、今より変色するはずです。
まずは切断する必要の枚数を加工して
割付た納まりの仮合わせ準備をします。
桝のフタ付近は円形に切断加工が必要ですが
100㎜のダイヤモンドカッターで可能でした。
手間は掛かりますが慎重に加工すれば
通常の刃でも円形合わせができます。
仮合わせしながら要所を決めていきます。
地味な作業ですが面倒でも切り方を、すべて先行させる方が
後が楽で結果的に早そうです。
加工が終えれば正確でなくても仮並べして
全体のバランスで判断し
致命的な間違いや切り直しが必要か否か?を確認します。
間違いなければ納まりの良い位置で
働き寸法の基本ラインを目印表示し
一旦、除けて解り易い順番で近場に置きます。
モルタル下地を掃除し張付けの開始です。
まずはバッサモルタルを作ります。
水分とセメントの少ない配合で練り加減が微妙なモルタルです。
セメント割合は、かなり少なめにします。
覚える最初の頃は、こんなにセメントが少なくて良いのですか?
・・と本手のタイル職人に聞くと
「素人ほどセメントを効かし過ぎて失敗する」と言われましたが、
そんな体験の覚えは何度か有ります。
圧着、接着、張りではない昔からの積み上げ張りで
ダンゴ張りと言われる基本パターンが有ります。
この時に上手く張れず剝れてしまう時は良かれと思い
セメントを効かせて挑むと余計に上手く行かず
失敗が激しくなります。
そんな時にはセメント配合を極端に薄くし打開できました。
バッサモルタルで地を作り均しながら仮置きしながら
高さも木コテや土間コテなどで粗決めします。
いきなりセメントノロを流して一発で決めるのが本手さんですが、
私はまだまだ見習いの域を出ませんので
二回に分けた手順で挑みます。
本手さんでも人数と面積や数量で着手範囲や時間、日数の配分は
区切りを付ける見極めどころが有ります。
施工能力に応じて分散工程を優先にする方が安全です。
粗並べし粗叩き締め込みして高さの浮き沈みは、
ほぼ安定してから再度、取外し、やはり順番をあまり変えずに
置いておき、いよいよ本張りです。
明らかに一回は余分な工程を挟んでいます。
遠回りになりますが経験が浅い不慣れの場合には
大きなミスを回避する為には手間を掛けても
慎重に越したことは有りません。
今度こそ本番張りです。
セメントノロを注ぎ速やかに張付けながら
位置の微調整もしつつ、張り伸ばして行きます。
一度、仮合わせしていますので、ほとんど上手く行きます。
やはり二度手間を掛けただけの事は有りました。
とてもスムーズに張り終える事が出来たので
手順は妥当だったようです。
なぜ二度手間にしたのかは・・似たような事で
何回か上手く行かず懲りた事が有ったからです。
専門で毎回、似たような業種をやっていれば
大切な要領は忘れず次の回にも活かせますが
多能工は記憶が消えかけた頃に次の機会となり、
大切なノウハウを忘れがちとなります。
この辺りが・・多芸は無芸と云われやすい
実状だったかと思います。(^_^;)・・が。
※最近は無芸とは思わなくなり・・むしろ
有名なコーヴィ博士の7つの習慣で言われている・・
あれか?これか?ではなく・・
あれも!これも!・・が本筋を知って腹落ちしました。
色むらは、しかた無いですが、やはり段鼻の役物だけ
既存を再利用して正解でした。
とりあえずレンガタイルの張付けだけは終えましたので
本手の熟練者ではありませんので念の為に
目地入れは翌日に持ち越します。
次に続く。