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古い戸フスマにクロス貼り事例

古い戸フスマの片面に汚れにくいビニールクロスを貼る事例です。

 

※いきなり余談ですが。

 

両面の下地が合板の構造は呼び名がフラッシュ建具の戸フスマと呼ばれます。

 

和室の部屋と押入や通路、洋間などとの間仕切りに入れられた建具です。

 

和室と和室の間仕切りに使用するフスマ建具は太鼓張りフスマと呼ばれ

細い骨組を袋状に包まれた軽い建具で引き違い納まりに使用され

戸フスマとは呼び名、構造、使用場所が異なります。

 

この違いだけを知識として説明が出来る程度に把握し

現物でも見ただけで、ほぼ解り念の為に裏面や全体の納まりを

観察したり表面の下地状態を触って見たりして判別出来ればプロです。

 

※本題に戻ります。

 

古い戸フスマで押入の引き違い建具として使用されていましたが捨てずに

無理やり再利用した場合は色々な部分で問題は残ります。

 

室内側には糸入りフスマ紙素材が薄いベニヤ板に貼られていますが

汚れたり劣化しています。

 

その面にフスマ紙ではなく汚れにくく

紙より強いビニールクロスを貼る事例です。

 

問題は古い劣化したフスマ紙を剥がすか?否か?の判断となります。

 

基本的には、手間が掛かっても古いフスマ紙は水で濡らし

剥がすのが正攻法です。

 

しかし古過ぎる建具の再利用なので手間を掛け過ぎるなら

新品に作り替えが無難か?との比較があります。

 

出来れば、剥がす手間を掛けずに、そのままで

張替えを望みますが問題は接着不良。

 

そこで一部をテストしました。

ビニールクロスの現物端材に糊を付け試し貼りです。

戸フスマクロス貼り?試し貼り.JPG

一部だけテストして何日か経過しますと簡単には剥がれず、ほぼ安定しているので

重ね貼りが可能と判断し、せめて周囲だけでも

古い劣化したフスマ紙を剥がす事にしました。

 

周囲だけノミを立てて刃先で掻き取ります。

水洗いなどは下地合板が剥離の恐れで↓乾燥状態で下地処理をします。

戸フスマクロス貼り?下地処理?.JPG

全周だけ掻き取りクロスを貼る準備できました。

 

戸フスマクロス貼り?下地処理?.JPG

ビニールクロスを貼る前に糊練りの事例です。

 

まずは業務用の糊を必要なだけ容器に取出し攪拌用具を準備。

戸フスマクロス貼り?糊練り?.JPG

練る要領としては塊の量に近い水を少なめに加えながら

攪拌スクリューで飛び散らないような回転速度で攪拌します。

 

攪拌スクリューが無ければヘラや木材の切れ端などで

練り潰すように混ぜれば可能。

 

希釈の粘度の目安はスプーンですくい取り垂れ流せば

20~30㎝ほど糸を引く生卵の白身程度の練り加減で

混ぜて完成する水分と練り加減です。

戸フスマクロス貼り?糊練り?.JPG

予定通りの進展で、さっそく貼りました。・・ところが!

期待に反して、いきなり接着不良の問題が起こりました。

 

糊の水分が古いフスマ紙に浸透し安定しているかと思われた

古い接着層が浮いたのです。

戸フスマクロス貼り?試し貼り?接着不良?.JPG

一度、糊が付着した部分はヘタに動かしたり浮かして押え直すと

余計に古い紙が剥がれます。

 

クロス素材の位置や転びが無く一発で張り押えれば

ギリギリ納まるかも知れません。

 

しかし一度、糊の水分が浸透し浮いてしまう条件になった

古い接着層の付着力が再び信頼出来るとは思えず

無理やり抑え込んでも

後で全体が浮いて離れれば手直しとなります。

 

この場の判断、打開策の判断には急を要します。

 

打開処置が遅過ぎれば一旦、糊付けした使用中のクロス素材は

再利用が出来なくなるので直ぐに剥がれて浮いて

新規素材の方に付着した異物を除去し早めに手直し、します。

戸フスマクロス貼り?試し貼り?接着不良?.JPG

剥がして再利用出来そうなビニールクロスの糊や異物は早めに取り除き

下地処理を手直しする前に再利用する為の復活処置をしておきます。

 

戸フスマクロス貼り?試し貼り?接着不良?付着物除去.JPG

残念な過程ですが、とても貴重な失敗体験となりますが

似たような事は過去に体験済みのはずですが年月が過ぎ去り

記憶や体感に残らず結末をデーター残ししていなければ

忘れた頃に再び過ちを繰り返す事となります。

 

よって、このように結末を物語化して世間の物笑いとなり

大恥をかけば改心して失敗を繰り返す習慣は完結します。

(それが甘いのだ。・・今までに懲りているはずに繰り返すのを気付いていない!)

 

古いフスマ紙をケレンして剥がしますが水湿しし過ぎると

古いベニヤ板の下地合板の接着層が剥離して膨れたり剥がれると困るので

乾燥状態で掻き取り剥がす事を試しました・・がダメでした。

 

多分、縁だけ糊付けして、その他は糊を付けない

太鼓張り工法が正攻法だったかも知れませんが

心もとないので良かれと思い全面糊付けがド素人のあさはかさ。(^_^;)

戸フスマクロス貼り?下地処理?.JPG

古い紙と繊維が簡単には取れません。

無理やりケガいたり粗ペーパーで擦っても肝心な古い紙が

付着している部分は水湿ししないと綺麗に早くは取れません。

戸フスマクロス貼り?下地処理?.JPG

粉だらけになりカスは大量に出ますが乾燥状態での掻き取りは

とても非効率手順が解ります。

 

電動工具のサンダーなどで研磨するのは粉塵の

飛散対策や的外れなので論外。

 

やはり定番とされている水湿しで古い接着層を浮かし剥がす正攻法にもどります。

 

クロスを貼ろうとして中止した時に付着した糊残りは綺麗に拭き取り

古いフスマ紙全体に水湿しをします。

戸フスマクロス貼り?下地処理?.JPG

周囲から再びノミを立てて湿った古い紙を剥がします。

 

やはり乾燥状態を無理やりケガいて表面は

粗取りしていたので簡単で早いです。

戸フスマクロス貼り?下地手直し?.JPG

下図は1/5ほど剥がした状態です↓。

戸フスマクロス貼り?下地手直し?.JPG

湿っているので埃は全く出ず簡単に捲れます。

 

当然下の床面には汚れ防止の養生は必須です。

戸フスマクロス貼り?下地手直し?.JPG

貼る準備が出来たので再びクロスに糊付けし伸びしろの待ち時間を置き

正攻法で張り方開始となります。

戸フスマクロス貼り?試し貼り?.JPG

やはり、基本手順なので、なんの問題も無く簡単に付着し

 

位置の修正で浮かしたりズラしたりクロスが動いても、問題無しです。

戸フスマクロス貼り?張り直し?.JPG

周辺の切断する突き付け部分は見切り部材のペラ厚みが薄いので

指の爪先などで粗押さえ込みして段差の曲げ込みの切っ掛けを作ります。

 

地ベラの金属部分で押え込む前の切っ掛け作りは

爪押さえが指先感覚の位置判断となり的確で早くて容易です。

戸フスマクロス貼り?張り直し?.JPG

曲げの押さえ込みには樹脂のヘラで更に強く抑え込めば確実に決まります。

 

戸フスマクロス貼り?張り直し?下端押え.JPG

周辺のペラ見切りの厚みが薄いので、この押さえ込み曲げが甘く

奥が浮いていれば仕上げ切りする時に刃先がペラ見切の表面に

乗り上げ傷付けたり切断位置が奥に届かず短めに切れてしまい

隙間が生じ失敗となります。

 

この二つの切断ミスのパターンはシュミレーションとして

本番、事前に疑似体験しておくのが無難です。

戸フスマクロス貼り?張り直し?.JPG

それでないと将来、かならず大事な場面で予測される切断ミスを

犯してしまう一度は通り抜ける必然過程となっています。

(最初の初歩的なミスをしでかし者が・・偉そうに言えないだろうが!)

 

これで一応、貼り終わりました。

 

引手も取り付けて完成です。

 

戸フスマクロス貼り?張り直し?完成.JPG

途中の段階では細かい基本ノウハウが色々と有りますが

それらは別の機会に掲げます。

(こんな程度ならノウハウ云々は・・言えないでしょッ、恥を知れ‼)

 

次の現場事例もお楽しみに。


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