地震での家具の転倒防止策の続きで冷蔵庫の事例です。
大きな冷蔵庫は移動する時にはキャスターが付いています。
後ろ側だけに2個か?前も付いて合計4個か?
ほとんどが前面カバーが付いているで解り難いです。
目隠しカバーは前に引っ張ったり上下に動かせばガタツキが有り
両端を持てば簡単に外れます。
移動したい時は冷蔵庫を少し前に引っ張り出してから
頭を後ろに倒し斜めにして前だけ浮かせば後ろのキャスターだけでも
前後には簡単に動いたりします。
もし4個付いているのは、ネジで突っ張り仮止めしている
アジャスー脚を引っ込めば簡単に前後に動きます。
最初に据え付けた業者がこの固定アジャスター部品を伸ばして
固定処置をして床に摩擦抵抗を施していないと・・
大地震で横揺れ方向が冷蔵庫の前後方向と同じ揺れの場合は
・・重い冷蔵庫が飛び出して走ります!
冷蔵庫に対して前後では無く横方向の揺れなら側面の流し台や
壁面に挟まれておりガタガタしますが飛出しは無いです。
この突っ張り用アジャスターは指で簡単に回せて左右に動けば
突っ張っていないので危険状態です。
上から見て右へ回せばネジが引っ込み左へ回せば床に当たり止まります。
※実際には見れませんが床の下から見て半時計方向へ回せば伸びて
床に突っ張り固定したり冷蔵庫が傾いていたら左右の高さを調整します。
床に当たり止まっただけではダメで更に強く廻し床に突っ張ります。
この時には冷蔵庫わ少し前へ引っ張り出し頭を後ろに押せば
本体が斜めに少し転び前足が浮きますので
突っ張り用アジャスターの回転足が軽く廻り5㎜ぐらいは簡単に伸びます。
その状態で冷蔵庫の頭を元に戻せば冷蔵庫の重さで
床に対して滑り止め抵抗が増します。
通常は、この程度で震度4以内程度で横揺れ方向が
前後で同調しても前へ走り出す事は稀です。
最初に据え付けた業者がそこまで
突っ張ってくれているか?否か?の問題です。
稀に正面の突っ張り用アジャスターの回転足が錆びついて
動かないとか床が下がり気味で伸ばしても届かず
突っ張れない時も有ります。
そんな時は滑り止めの敷物を差込んだり滑り止め専用のパットが
販売されていますので冷蔵庫本体を斜めに倒して入れ込みます。
一応、ここまでだけでもしておけば容易に滑走、
飛出しは防げますので一安心ですね。
脚を突っ張って動かないようにしてしまうと時々、
引っ張り出して裏に落ちた物を取ったり掃除したりする為に
前後には動くようにしといて欲しい場合は固定が邪魔になります。
いずれにしても大地震の時に横揺れが前後方向で同調した時は
重い冷蔵庫が滑走し部屋に人が居た場合は体当たりしてきます。
これは防災の実験施設で研究実証済です。
突っ張り用アジャスターの回転足を延ばして床に抵抗を掛けていても
床を傷付けながら走ったり頭が前に倒れたりします。
そこで滑走や転倒防止対策が近年では注目されています。
しかし、その具体策は現場での諸事情で使用する金物や
施工方法などは大きく異なります。
基本的な策は下図のようになります。
ホームセンターやネット販売もされている一般的なモノを利用して固定します。
長くなりますので次のページに繰り越します。
次は冷蔵庫の転倒防止策の現場事例を続けます。お楽しみに。