床下収納庫本体は取付を終え床下の補強も完了しました。
日を改めて後はフタの制作です。
まずは合板の切断から始めます。
電動工具で切断でも良いのですが手ノコで
アナログ工法として定番の切断例です。
狭い現場では、このように大きな規格サイズを
立てて切るのが結果的に有効な事が多いです。
なぜ?やり易いか?と言いますと・・
手ノコを真下に引き下ろすのは自分の腕の物質的な重さを
利用して重力で降ろしやすいからです。
切断ラインは正確にしておくのは言うまでもないですが
制度は1㎜前後を目指して切ります。
いわゆる墨(線、ライン)の外か?内か?中心か?又は
昔から言い伝えられる墨(線、ライン)を舐めるか?
残すか?墨半分残しか?です。
やはり最後は切れ落ちる時に端がバリッと
剥がれ欠け傷となり千切れやすいので支えが必要。
切断が終えたら把手の掘り込み加工ですが
位置決め確認と補強金物位置方向です。
問題は裏当て補強金物の向きは下地合板の表面繊維方向に対して
直角が強度的にはベストです。
下図のように試しに置きましたが↓平行に取り付けても
短期間では問題ないですが
長期間では明らかに床のタワミ影響が起こりやすいです。
向きが決定したら穴あけ加工に進みます。
まずは切っ掛けとなる捨て穴をあけます。
4㎜前後の鉄鋼キリで良いです。
その切っ掛け穴を連続につなげてジグソーや
手ノコの引き回しタイプなどを使用して
切込み加工します。
トリマー工具にストレートビットを付ければ
簡単に綺麗に角型の穴あけ加工が可能。
又の機会に掲げますが今回はジグソーの使用例です。
次には既存CFシートの活かし取りした材料を接着します。
この時には柄合せのために多少の大きさ変更での
切断落としと向きが重要。
収納庫の枠取付時に切り抜いた時のサイズのままでは
大き過ぎるので縮小しますが片方からサイズを詰めると
柄合せがズレますので全体を縮小でカットします。
ここではCFシートの裏面に接着剤を塗りましたが本来は
木製下地側に塗るのが本筋です。
サイズが小さいので取り回しが可能な為に逆のやり方です。
現場で大きなサイズのCFシートを床に貼る場合は
裏に塗るのは困難ですし貼る時に、あちこち糊が付きます。(笑)
糊の付け方や凸凹した筋塗りにする理由は
色々な必要性から基本ととなっています。
糊の量が多過ぎず、少な過ぎずなど過去から
繰り返された結果でベスト工法です。
この糊付け要領ではS字型に塗りながら
余分な糊を寄せながら進める手加減はこの部分だけでも
意識して演じると、それなりの価値観を主張できる動作となります。
その部分だけを物語として捉えて・・ああだ!・・こあだ!・・と語り、
やって見せられれば売りネタ、切り札としてプロの演じ方となります。
接着は完了です。
接着後の残り糊や用具の後始末や再使用への復活対処も重要でして
この辺りの配慮も賃金ランクの意思表示する度合いによって
大きく評価は異なり大切な見せ所となります。
・・しかし現実は、だぁれも見ていなかったり・・
見られていても、その価値、違いが、まったく理解されなかったり・・
結果的に自己満足が多いのですがそれで良いと思ってます。
まずは自己が満足していないと続けるのが楽しくないのです。
嫌々、しかたなく遣らされるのと・・
好き好んで楽しくやっているのとは大違いです。
フタ枠の組立取付に進みます。
まずは仮り付けで納まり具合を確認します。
この時に蓋の合板サイズが大き過ぎたり小さ過ぎると
突っ張って膨らんだり小さ過ぎるとビスに沈められて引っ込んだり
捻じれて歪んだりガタついたりします。
この辺りを確認してからビスの本締めとなります。
今回は蓋の素材が薄い為に厚みにガタつきや隙間が生じました。
梱包された養生ベニヤ板をはさむのは厚くなり過ぎて入りません。
それでもベニヤ板の端を見えない裏側をカンナで薄く削り
無理やり取付も可能ですが過去に経験は有りますが
手間が掛かる割に仕上りは今一です。
フタ枠の内側ラインを記してから枠を外し
布テープを重ね張りして付け足します。
12㎜の合板下地にCFシートを重ね貼りすると、
ほぼ厚みはピッタリになりそうですが
問題はCFシートの厚みの違いで様々、
規格品では1.8~2.3㎜が基本タイプの二種で
それ以上の厚さタイプも有りますが微妙にそれぞれで異なります。
まして今回のは現場での既存物を再利用。
元々は1.8㎜タイプらしいですが
年数も経ち裏地のクッション層は劣化しヘタリ薄く
変化していますので、より薄気味。
よって単にベタ貼りでは15㎜が入ってピッタリの
アルミ枠の溝には1.5㎜ほど不足気味でした。
有効策としては外した既存CFシートを二枚重ねで
ピッタリとなります。
僅かな15㎜巾で延べ長さ1.8mほど必要ですが
余分の素材は足らず。
別な在庫物を利用しても良いですが
僅かな厚み調整に有効そうな汎用の布テープを使用。
薄いので4層に重ねて微調整してピッタリ納まりました。
これで厚さ処理は完了しましたのでアルミ枠のビス止めです。
ビス止めは強力過ぎる電動ドライバーでは負荷が掛かり過ぎて
失敗しやすいのでトルク調整で弱く調整するか?
ペンインパクト程度で軽く締め付けます。
手回しドライバーでも可能ですが強さ加減が
コントロール出来れば電動が,、やはり効率的。
ついでに持ち方の違いについて見ただけで解る画像を
参考例として掲げます。
下図は↓適正な例の持ち方でドライバーの先端ビットの中心軸の
真上に持ち手が有り工具の回転ブレになりにくくや
持ち手の角度が変化しにくく押さえや身体荷重が
ストレートにドライバービットを通過し
ビスの中心軸へ一直線に通じます。
とても安定しビスの抵抗感や転びの感覚も得やすく
コントロールしやすい持ち方です。
長年に渡り色々なパターンを経験すると最終的に、
こんな形が定番となります。
別なやりかたや持ち方で無理を承知の体制でも
やり切る場面も有りますが別の話です。
下図は↓別に問題なくビスの締め付けは出来ますが僅かな事ですが
余分な捻り腕力が必要で締め付け本数が多いと余分な労力を要し
長く同じ動作なら疲労度は多く損で無駄な対処作業となります。
長く数多く自分で続けると疲労感が増し、やり難さも感じて自然に
先の基本形に嫌でも辿り着く事になります。(笑)
フタの裏に補強金具を二本取付ます。
昔のタイプは真ん中一本でしたが最近は二本が定番。
蓋の枠や金物も取り付けて完成です。
既存のCFシート柄合せの為に方向性は決めて有ります。
回転把手の位置もどちら側が日常の使い勝手は良いか?
歩行時に足裏に干渉しにくい位置と使い勝手はどちらを優先にするか?など
選択や決断は重要です。
自分で判断する場合は、それなりの理由付けが必要です。
自信が無かったり決定に不安がよぎるなら使用者である
御客様に伺いをたてるのがベスト。
この辺りは熟練経験の大工さんに有りがちなのが
独自の判断で把手位置を決めてしまい
お客さんへの事前確認をせず自分の専門的な立場での判断で
(任せろ!)となりがち。
いちいち御客さんや監督にお伺いを立てると・・
知らないのか?と思われる
想い違い・・想い上がり‥慢心・・ヘタなオゴリ・・
となりがちです。
ここで、御客様からは「先に一言、聞いて欲しかったのに・・」
と不満が残る事もしばしば。※心当たりが有ります。(^_^;)
現場に納めて完成です。
既存のCFシート柄合せはピッタリです。
最初に唯一検討したのが回転把手の位置です。
本来は足裏に接しない向かって右側の壁面位置側に
取付が基本でしたが御客様の使用目的や使い勝手などを
御聞きすると常に収納したり出したりの可能性が高いらしく
蓋の開け閉め頻度は多いらしい気配。
勝手口ドアはめったに出入りせず
収納庫の使用は室内側からが多そう。
ならば室内側の把手を掴み明けたフタは
勝手口ドアに立てかけて手を離せます。
向かって左側は洗面、脱衣場なので湯上り足拭きマットを
蓋全体に仮置きとなり把手金物が動線の足裏に
接触する頻度が多くとも足拭きマットで隠せます。
以上の判断から、このような把手位置となりました。
ここで今更、気づいたのが把手位置で
あれこれ条件が異なるならば・・
最初の床切断時に根太位置ギリギリとか
通路幅の中心位置の据付を優先よりも
CFシートの柄模様が角型で全方向に向きを変えても
ラインのズレが感じにくい中心位置に据え付ければ
微妙な柄合せの違いは有ってもクロスラインのピッチさえ
大きく外れなければ使い勝手によっては
後から御客様が任意に偏向蓋の向きを変更可能となります。
但し、今回の現場では角模様が正方形ではなく、
やや長方形パターンなので全方向は無理が有りますが
手前を向こう側などに替えるのは可能でした。
巾位置は、ほぼ違いがないのですが縦長方向は
1㎝前後の位置決めには別の価値が潜んでいました。
これで、この巻きは終えます。
次は気密タイプ床下収納とその関連事例です。お楽しみに。