気密タイプ床下収納庫取付事例の中盤事例です。
収納庫の容器を据え付けるのに地盤との高さ不足で
掘り下げなければなりません。
具体的に容器を入れてみて高さの違いを見て計測します。
上の図では床の表面からもっと下がって沈むべき容器の縁を計り
約3㎝前後の掘り下げか?と楽観視する場面ですが
未経験者や追求心が薄い場合は成りがちな計測場面です。
スケールの先は上図のように床面ではなく
受枠の引っ掛かり受けまでの、もっと下がった所までです。
ですから見た目では少しのようですが
現実は見た目の二倍ほと掘り下げが必要。
そして束石の一部がまだ僅かに当たりますのでハツリ取りが必要。
ハンマーとコンクリートハツリ用タガネで簡単に切断できました。
地盤のスキトリ掘り下げには計算上の容積では
0.6×0.6×0.06=0.0216で約21ℓですが
15ℓ用の土のう袋に2袋程度です。
本来、掘方して発生する残土は計算上の掘り方容積の
1.6倍ほどに割増しされます。
この辺りが計算上だけと現実は異なる面白い所でもあります。
収納庫の容器を納めて確かめます。
まったく問題無し。
蓋の床材は似たような色柄を探しましたが色が近ければ柄が異なる。
柄が近ければ色が異なるで合致度合いは離れましたが
良さそうな色柄で床板を選びフタ材作りへと進みます。
ここはオーソドックスに手ノコ切断の事例です。
手ノコが使えて電動工具も使えるのが最終的なスタイルですが
やはりアナログ基本知識・技能ノウハウとして
手ノコ切断の基本ノウハウを心得ていれば、
なにかに問わず有利となります。
床板の長さや幅落としをした後は把手の切込加工となります。
手ノコ切断後にはノミで欠き込み加工します。
これにも昔ながらと言いますか?長くやると色々な手法から厳選され
楽で早くて正確なパターンに集約されて行きます。
その結果として一例が次の手順となります。
①ノミの裏面の刃先を仕上ラインに当てて
印しの打ち込みを軽く入れる。
次に
②ノミの凌ぎ面を床板に突き刺しスコップですくい取る様に
カナヅチでノミを浅く追い入れる。
そして
③先ほどの仕上ラインにノミの裏刃を当てて垂直に
少し強目にカナヅチでノミを叩き込む。
そして
④今度は少し深めに、強めに凌ぎ面の刃をスコップの様に
ノミを叩き込み深掘りする。
さらに
⑤それらを何度か繰り返せば下図のように
床板の裏までノミの刃先が突き抜けます。
当然、この作業時には傷が付いても良い
養生用の、しっかりした裏板材が必要です。
厚い板の場合は電動ドリルなどのキリで捨て穴あけが
楽で早く容易となります。
又は表裏の両面から交互に繰り返し
切り欠き加工する場合も有ります。
とてもアナログ作業ですが手ノコ・カナヅチ・ノミの
組み合わせ対応は頻繁に訪れます。
把手の取付位置は気密タイプ床下収納庫の
裏当て樹脂台に決まりの位置が有ります。
このタイプでは把手の位置を自由に変える事はできせん。
これが昔から有る普通タイプ収納庫とは大きく異なります。
フタ材の把手部分の切込加工は終えたのでフタの組立に進みます。
まずは床板のジョイント部分には
木工用白ボンドをオン、メン両方に適量を入れ込みます。
その状態で二枚を組合せフタの外枠樹脂に入れてから
裏当ての樹脂本体を被せる前です。
このままでは床板が動き繋ぎ合せが開く恐れが有るので
ジョィントテーブ貼りが有利。
これで簡単には床板がズレ動きません。
ビス止めする前に表に返して問題が無いか?確認します。
特に床板の継ぎ目のズレ動きによる隙間が無いか?否か?
ここで少しの問題を発見です。
把手金物の切込加工の余裕不足で当たり気味なので手直しが必要。
カッターナイフで慎重に邪魔で入らない部分を削り取ります。
この時には削りカスがビスホールに入ってしまうと
固定ビスがすんなり入らないので注意。
把手金物の表部品を入れて見てすんなり入り納まりました。
そして再び裏向きに返して、まずは外れやすく動きやすい
把手の固定ビスを手回しで慎重に仮止めします。
床板に裏当て樹脂からビスを本締めする時は追随して動く程度です。
いよいよ裏当て樹脂からのビスを本締めします。
使用するのはビスの本数が多く一定のトルクが有れば楽なので
トルク調整タイプの電動ドライバーです。
ベンイバクトなど電圧の低い工具でも良いですが
やはりトルク調整型が有利で便利。
ビスの種類や長さも違い行き場所が決まっています。
まずは蓋の外枠樹脂と裏当て樹脂の外廻りをビス止めするのが有利となります。
締め付けトルクはとても弱い設定です。
手回しドライバーなど腕力だけで強く締め過ぎると、
たぶん簡単に効きが無くなりボケます。
次に裏当て樹脂本体から床板に専用のビスを直止めします。
これが深いビス穴に短い専用ビスを丸座金と共に入れるのが一苦労。
ビスが斜めに倒れたまま強引に締めると固定不良で大失敗となります。
ビス止めの本数は見た目は多そうですが以外に少なく
最小限の数しか有りません。
よって一本でも固定不良になるとガタツキなど問題が生じます。
対策とすれば裏当て樹脂と床板にビス止めだけではなく
樹脂と木材が接着できるモノで強引に固定する策が必要となります。
色柄とも薄目で合いませんが最初から承知の上でした。
一応、床のフワフワ傷みの補修を兼ねた床下点検口の
気密タイプ樹脂フタと収納容器の据付は完了です。
一部分の床下から裏当て補強の接着部分は
仮止め釘で押さえているので翌日は引き抜きできます。
ちなみに作業シートで現場での加工時の↓ゴミ受け事例です。
時々、経験者・熟練の大工さんに外注して作業を依頼する事が有りますが
この作業用シートなどの養生をしないままゴミの
飛散をさせてしまう事が度々あります。
最初から言えばしてくれるはずですが・・
前もって言わなくても配慮して貰えるか?否か?・・
せめて途中ででも聞いて貰えば済む事ですが
聞きもしない・・最初から確認もしない・・
とても曖昧で不可解なグレーゾーンとなっています。
未経験など新規参入者は、この辺りをターゲットにして関われば
直ぐに賃金格差や経験の有無を覆す付加価値で接近したり
追い越し色々な評価が有益となり報酬格差で逆転の可能性も高いです。
これで、この巻きの中段階を終えます。
次の続きもお楽しみに。