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建具の開閉不良2/6スチールドアの固着、開閉不良事例

住まいの困り事としては大変、危険な事態になりかねない開閉不良例です。

 

木製建具のドアなら色々な対処で、なんとかなりそうですが・・

マンションのスチールドアは捻じれ変形や色々な原因で固着など

開閉不良になる事も稀に有ります。

 

特に大きな地震で躯体が影響を受けるとスチールドアが開かなくなり

外に避難する事が出来ずに閉じ込められる事も現実に有り得ます。

 

閉じ込められた部屋から火災が発生し外に出れなければ命に関わります。

 

この現場事例は玄関とガレージの間でエントランスと呼ばれる

空間と外部の間仕切りドアです。

 

他にも出入り口が有りますが・・そちらがダメなら、

このドアが逃げ道。

 

ところが・・最初は開け閉めが重く・・徐々に

ピッタリとは閉まりにくくなり・・

そして・・強く閉める事が頻繁になったのち・・

まったく開かなくなったそうです。

建具ドアの開閉不良?-1叩き広げ.png

把手を廻しても少しは動くけども開かず動かず・・しかたなく

上部の隙間に↑工具を差込み動き具合を確かめました。

 

明らかにドアの重さで自然に斜め下がりして戸当り側の

上部と下場が当たる現象。

建具ドアの開閉不良の原因例?.png

もう一つの原因として捉えていなければならないのが・・

ロック錠のストライク金物がドア枠の受け金具に接触して

引っ掛かって大きな抵抗となりノブが回らないほどの現象です。

 

したがって当たって詰んでいる場所にクサビ状の物を挟み込み

強引に押し広げ重いスチールドアが僅かに元の位置に戻った頃に

ロック錠のストライク金物が動いてドア枠の受け金具から

抜けてくれれば・・ドアは開けられます。

 

よってクサビでの叩き広げは上の方を吊元側へ横にズラし

建具ドアの開閉不良?-2叩き広げ.png

ドアの戸先付近では下端にクサビを叩き込み上に押し上げるように

二ヶ所の外力から僅かに動かします。

 

ここでクサビ代わりに使用している用具はブロック専用のタガネです。

 

無ければレンガ用タガネでもよく薄いスクレパーを2~3枚重ねたり

木製のクサビでも可。

 

但し、ヘタすると・・挟まってしまい抜けなくなったり

中で折れたり千切れて残れば余計に別な問題が増える事になります。

 

やはりブロックかレンガ用のタガネが簡単に折れないのでベストです。

 

そして少し危険ですが吊元側の丁番(ヒンジ)の軸を少し叩いて

吊元側に曲げれば動いてくれる事も有りますが・・

ガタガタになると、かえって悪くなる事も有ります。

建具ドアの開閉不良?-3叩き寄せ.png

もう一つの原因では吊元側の丁番ビスが浮いて頭が飛び出したままなら、

そこがドアの戸尻に接触してドアとドア枠の丁番ビス頭が

挟まり動き、もどけながら徐々にビス頭が出過ぎます。

 

それで余計に突っ張り気味ともなります。

 

建具ドアの開閉不良の原因例?.png

この現場では、なんとか開ける事が出来たので

戸尻の丁番側の上側ビスを見ると・・

最初は見えにくく判断しかねましたが僅かに出ていました。

建具ドアの開閉不良の原因例?-1.png

脚立に上がり近くで見たりビス頭を触ると

1.5~2㎜ほどビス頭出ていました。

 

暗くて拡大しても画像では解り難いです。

 

下から遠目に見たぐらいでは解り難い程度です。

 

しかし1.5~2㎜の変化でスキマが無くなり詰むと

スチールドアは動かなくなります。

 

そしてロック錠のストライク金物がドア枠の受け金具に

上下位置の不一致で下側が当たり気味で無理して入ったら

ドアの重さで把手を廻しても動かない抵抗になります。

 

そこでステンレス金物のプレートをデスクサンターの

切断トイシで削り取りました。

 

固定ビスを残したまま加工するのが無難です。

 

ヘタに外して加工しようとすると裏側のネジ止めの

当て板部品が枠の中に落下すると

二度と止められなくなり別の問題が増えます。

 

慎重に削り取り、手で触ってもケガをしないように

面取り加工も施して完了です。

建具ドアの開閉不良の原因例?削り加工.png

今回の場合はスチールドア本体もドア枠も取っ手金物も

丁番も現状のまま復活する事が出来ました。

 

スチールドアの戸当たり側の上部が枠に当たり

吊元側の上部丁番が浮き気味になるのは

ドア自体の重さによる自重の為に垂れ下がり気味になるのが

第一で、第二としてはドアクローザーを使用している為に

開けて閉める時は一瞬、圧縮抵抗で戸当たり側に反発して

突っぱねる機構になっています。

 

それから、ドアが閉まる時はこんどは逆転して徐々に

吊元側への引き付け力に変化します。

 

これが開け閉めのたびに上部付近では突っ張りと

引っ張りが繰り返されるのです。

 

よって吊元側の丁番はガタガタになり易く

最終的には引っ張られ斜めに転びます。

 

以上が典型的な良く有るパターンの事例でした。

 

今後の対策とすれば戸当たり側の上部付近は一部に

一番良いのはジュラコンなどの滑りやすく硬い樹脂がベスト。

 

なければベークライトやアルミテープなどを何枚か重ね貼りして

ドアを閉めた時にドア枠とドアに隙間が無い様に

挟みモノを枠側の方に固定して滑りやすくワックスでも塗っておけば

接触抵抗が有っても滑り入りやすく開ける時も滑り抜けしやすくなります。

 

長期間においてドアの自重で垂れ下がりや傾き転びは

多少、防げると思いますが・・邪道です。

 

もっと正攻法の対処は色々有ると思いますので今回の対処例は

暫定処置の一例、程度に願います。

 

次はドアの開閉不良対策事例3/6に続きます。お楽しみに。


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