サシガネの続きです。
業種によって鉄工、板金系や内装系・・その他専門分野に応じて色々異なります。
ここでは大工用のタイプですが船大工さんや型枠大工さんは異なるかも知れません。
※いきなり余談ですが・・
最近は㎝、㎜が標準ですが稀に尺寸表示も有ったり、
それを好む方も居られます。
尺貫法が切替になった後でも設計図のm、㎝、㎜の表示を
わざわざ尺寸数値に書き換えて墨付け作業をしないと
スンナリ出来ないと言う大工さんは結構居ました。
最近は・・さすがに時代遅れで公な建築確認申請などの表記は
m、㎝、㎜の表示。
換算しなおして尺寸であろうが・・インチなどでも
人それぞれの好みですが
読み取り、表示、換算単位など様々なミス、トラブルになる
リスクを考慮すれば危険です。
※本題に戻ります。
サシガネの本体で↓500㎜×250㎜のサイズで標準の大きさ。
少し目盛りや表示が薄く見難い状態ですが御容赦、願います。
表側の表示は、なるべく見やすい濃いめの印が良いです。
もっと見やすいカラーとして、すべてが黒地色で
表示が金色や白色など様々。
どれも長く使うと手や材料に触れた摩擦で表示が徐々に薄れて来ます。
問題は直線や直角などの精度です。
後は固さ、しなやかさ・・なども好みで分かれます。
直角の精度は最初から悪い物や当初は良くても使い方で
落としたり保管状態や使用時の無理な使い方が頻繁になると
徐々に90度の直角、精度が狂ってしまう事もあります。
そこで調べるのが計算式で短辺と長辺の最長位置の長さを計り
三平方の定理で斜辺の実寸を求めてサシガネの現物を
三角形の頂点として測り、その誤差を調べるのが基本です。
それ以外の現物を利用し他物理的な見やすい方法を
以下に参考として掲げます。
まず真っ直ぐなラインを基準にして短辺を当てて
長い辺の元と先の位置を仮り印しで表示し、その後に反転させて
長辺の先位置がピッタシか?・・ならばOK!・・
又は・・開いているか?狭く重なるか?・・なら
90度の直角の制度が狂っているので微調整が必要。
サシガネの狂いを微調整する場合で
本来の直角位置を求めるには、この開き過ぎと重なり過ぎの中間が
本来の直角位置である事は明白なので、
そこを印し表示し作業を進めます。
これは水平器の気泡位置が狂っている場合でも
本来の水平位置を求める時にも同じ原理です。
以下は、狂いをカナズチで叩いて↓修正する場合の参考事例です。
拡大すると、こんな感じで金属が破断しない程度で叩き膨張させます。
とてもアナログな直し方です。
叩く強さと同時に自分が叩かれる金属の立場になり
「これぐらいの負荷なら破断して居れず素直に伸びて変形してみようか?」
・・と自分が金属になったような気持ちが必要かも?(笑)(^_^;)
内側も外側も同じ感覚ですが・・決して必要な位置を間違わない事です。
開かすべきなのに狭めてしまう勘違いなどは有り得ますので注意。
やはり下敷きにする物は重量感の有るドッシリとした鉄材が良く
裏からの反発力の相乗効果で力加減と
変化するタイミングが体感で解り易いです。
少しでも叩くと変形して膨張した部分が飛び出しますので
後はヤスリで削り微調整が必要。
どちらかと言えば外側が墨付け作業には使用頻度が多く
直線性の精度は必要です。
内側は直接、墨付け表示する事は少ないので
飛び出していれば困る程度です。
真っ直ぐな砥石(#1000)などで削っても良いですね。
目盛り側は不用意に削らないようにしましょう。
これも[守・破・離]の[守]らしき部分と思われますが
信憑性は解りませんので
興味の有る方は御自身で確かな専門書、文献、情報で照合、確認をして下さい。
次のページ内容もお楽しみに。