浴室の手摺取付事例です。
内壁は半磁器タイルと言う見た目は中まで堅そうですが
表面だけが薄いガラス質。
素材は半磁器と呼ぶ、二層構造で厚さは5~6㎜の
手でパキンッと折れる素焼きと磁器質の中間程度の硬さ。
手摺の取付は内壁の表面や下地の種類に応じて、
何処の層で固定するか?
信頼できる固定位置によって取付納まりや
手順などが色々なパターンに別れます。
以下の事例はタイルの張り方や納まりでは
旧来式のダンゴ張りと言われるモルタルを充填しながら
積み上げてタイル張りを、している内壁での基本例です。
このような旧来式のダンゴ張りか?
近年に主流となって来た圧着張りか?の見極めは
貼られているタイルのサイズで、ほぼ予測可能。
大雑把には・・ダンゴ張りは・・110角サイズ。
圧着張りは・・100角サイズ。
もちろん元々、タイル規格サイズがそれぞれだし、
施工手段の選択は
ダンゴ張り・・でも圧着張りでも材料によって
向き不向きも有りますが基本的には自由。
張り方による納まりや内部構造の主な違いは下図が一例です。
以上のように↑効きの悪い場所が多く
取付ビスを何処に効かすか?の判断が必要です。
何処に止めても一生涯、外れることが無いのではなく
固定されていても偶然、運が良いだけで無事なのか?
いつかは‥上記の不利な部分に当たってしまいグラグラの
手直しや転倒事故が発生で原因が施工ミスと判明し・・
責任を問われる羽目になったりします。
逆に、それらを想定して
意図的に配慮している為に必然的に無事なはずなのか?
(※それでも100%絶対の保証は出来かねるのが現実です。)
まずは取付位置を決定するには具体的なイメージが大切。
製品の全体サイズや取付位置の細かな納まりに基づいた
ビス穴の位置予測が必要。
そして大切な見えない配管や配線が隠れているか?否か?の推測。
使用者の動線や目的や身体的行動範囲の高さや横位置の範囲。
どこで最大の負荷が掛るか?・・など。
施工の要領説明に入ります。
コンクリートキリで穴あけ後は内部のホコリを吹き出しは絶対の定番処置。
この場合はブラケットに四か所ビス穴が有っても、
まずは一本を開けてオッケーなら他の残り穴に着手します。
同時に、すべて開けてしまわない、この手順はリスク回避策の基本パターン。
中で拡張する各種プラグの入れ込み前は必ず粉塵の吹き出し処置は必要です。
それでないと摩擦抵抗が無くなり抜けやすいです。
カールプラグの取付後はビスの仮り止めで次の横や上の位置決めへと進みます。
L型タイプの手摺は縦横の交点となる↓曲がり部分を先に穴あけして
後は納まり方の結果次第で進展させます。
ビスの位置決めは全体を同時に印して開けるよりも
一ヶ所を仮り止めしてから離れた次の片方を
二番目として決めるのが安全策です。
それは最初の穴が障害物や耐久不足などで移動が必要な場合には
後の取付位置も含めて全体を先に穴あけてしまうと
変更の場合には先に開けてしまった不要な穴が余計なキズとして残ります。
ビス隠しの化粧カバーは最初から入れて置くのと
後から入るのと手摺のタイプによって色々なので注意。
当然、色々な製品によって仕上げの形状や手順は異なります。
これでL型タイプの樹脂コーテングの
ステンレス手摺を片方は取付完了です。
取付位置の判断と事前の打ち合わせや要望の聞き取りなど
御客様との確認は、とても大切です。
しかし・・当然、使ってみてからでないと解らない事も・・
(※後で現実問題となりました。)
浴槽へ入る時と出る時の掴める体勢など色々と考慮します。
この下の画像は↓同じ現場ですが何ヶ月か後に追加処置が必要となり
下側に改めて増やした後です。
最初の確認が十分ではなかったのです。(^_^;)
こんな事に↑なるなら上のL型タイプを最初から
下げて置けば良かっただけの話ですが・・
さすがに低過ぎそうで掴まっても高齢者だと
浴槽内の湯水の水位に口が浸かり溺れる高さかも?だし、
風呂蓋の厚みにも影響が有り邪魔になりそうでしたが
この現場は、たまたま巻き取り途中で厚くなるタイプではなく
薄いパネルの組蓋でした。
いずれにしろ、この低い納まりは当初の選択肢に有りませんでした。
家族の中で使用する目的の方が高齢なので腰も曲がりかけて
身長は徐々に低くなって居られます。
掴む高さが取り付ける者と使用者との身体条件が、
そもそも違い過ぎ最初の判断が的確ではなかったのでした。
今度は出入り口です。
この場合は出入りの外から‥中から・・どちらからでも掴みやすい
縦バーが少し飛び出したオフセットタイプを取り付けます。
この場合はヘタにタイルとモルタル下地だけの厚みだけに
カールプラグで止めるよりは、あえて貫通させて
構造柱に長ビスで直止めが強度も強く安全です。
この取付場所は、パッと見では入り口の横なので
太い構造柱の存在が予測できるので
取付位置は上下に下から鴨居までの長さで
幅は10㎝ほどの広い範囲で信頼できる構造柱が期待できます。
しかし、稀に狭い半柱のみで幅広い柱では無く
じつは空間だったという当て外れも有り得ます。
最初の一本のビス用のバカ穴を開けて
奥の下地の存在を確認するが必要です。
以上が浴室に専用の手摺取付、参考例でした。
※自力で付ける場合に必要で肝心な施工ノウハウは、
これ以外にもあります。とにかく色々な注意が必要です。
次のページ内容もお楽しみに。