やや古い賃貸コーポの入退去時の床メンテナンスです。
洗面、脱衣場の内壁をクロスの張替え前に床がフワフワですが
根太は信頼できる強度が有るので張替えではなく重ね張りをします。
素材はコストの安い普及品タイプの厚さ12㎜のフロアーパネル床板です。
まずは最初の張り始めで床板全体の角度や位置決めが、とても重要です。
この段階で全体の仕上がりや納まり、やりやすさ、
材料の節約などに影響が及びます。
見た目では左側のトイレ入口の敷居と壁の巾木付近で
空き寸法が同じ程度に合わせるのが無難かと思われます。
しかし厳密には施工部分の全体を把握してから判断する必要が有ります。
上の画像では左半分しか気になりませんが・・
全体を俯瞰して判断するのも時には必要です。
例えば↓下図のようにイメージして全体の納まりを考慮します。
目先の納まり付近だけの合わせ位置だけを判断しても
上手く行く事もありますが部屋全体での長手方向のラインに対して
・・どうなのか?を考慮するのは大切です。
さらに・・もっと拘れば・・部屋だけではなく
建物全体の長手ラインに対して、どうなのか?・・など
おそらく一級建築士ぐらいの立場となれば、
そこまで自問自答になるのが常日頃かと思います。
しかし現実的には、部屋内だけの、
しかも目先の見付け範囲だけの決断が多いです。
最初の張り始めのフロアーパネルの型取り印付けは、
とても価値の高い重要領域と言えます。
この辺りの重要性と手順や要領を説明したり、
やって見せれば大きな分かれ道を順調に通過できるか?否か?の場面です。
上図のように↑樹脂製の定規でなくても良いのですが
CFシートの変形型取り印やカッターナイフで
直接シートを切断カットをしたりもします。
クロスの壁紙張りの切断カット時にも同じ要領です。
よって、この樹脂定規は使いやすい用具です。
定規の幅や長さ厚さ・・なぜ中央付近に丸い穴があいているか?なども、
スライドする時に指を当てて動かす場合に
力加減が伝わりやすく便利で、とても実用的です。
長過ぎても幅が広過ぎても・・過不足になるので
ベストサイズで長年のベストセラー用具です。
下図は↓中間まで重ね張りを終えた頃です。
釘打ちにはフィニッシュを使用ですが床下配管破損に注意。
エアー工具が無くても手打ちのフロアー釘38㎜を
斜め打ちでポンチ打ち込み沈めでも可。
上の図では↑中間の張り仕舞いで壁際の巾木と
フロアーの目地が接近していますが
この程度の空きなら問題なしです。
これが、もっと接近して10㎜以内の幅で5㎜程度の
僅かな斜め幅の変形条件になると
とても目立つことになります。
それを見込んで最初の張り始めには、あえて多く切り捨てをして
残りの幅を広くします。
そこまで先を読んで最初の張り始めの位置決め
判断をしているか?否か?が後で影響します。
いよいよ最後の段階です。
古い洗面台を一時的に外して奥まで床板を張り込みます。
もちろん最後の張り仕舞いの幅も、どの程度で納まるか?
・・も最初から予測済みです。
どんな大きな広い部屋でも、まったく同じ考え方や捉え方で
納まりや手順は判断します。
ある一定の基本パターンが有りますので専門的な部分を探れば
色々なノウハウは習得できます。
※今後、機会が来れば床張りや壁張り、天井張りなどの
基本パターンを公開できればと思います。
次の事例もお楽しみに。