見えない処で長年に渡り徐々に蓄積される雨トイのゴミ詰まり。
原因は軽いビニール袋などの飛来物や各種ボール玉やバトミントンのシャトルなど
空中から飛来した落下物による排水溝や排水穴の塞ぎ詰まり、
または野鳥や小動物などが運んでくる巣作りによる意図的な設営。
または各種屋根素材の劣化による表面材の剥離物の欠片や塗膜片など。
近所からの落ち葉などや空気中の粉塵などの堆積物も多いです。
下図は↓軒トイの排水付近で集水器の中に色々なゴミ詰まりです。
これら↑異物詰まりを除去するには、ヘタに上から突っついたりして
下へ落とし込むのは、一見簡単そうですが上手く行く時も有りますが
基本的にはダメで、余計悪くなり可能性が有ります。
下の縦トイ曲がり部分で固く詰まれば、かえって除去しにくくなり得ます。
長く太く幅広いツカミ用具の火ハサミなどで最初は丁寧に上に取り除くのが無難です。
最後の奥深い中へ落ちやすい部分は小さな物は流れ易いですが
出来れば掃除機などで吸引するのが無難。
屋根のトイ先で危険な高所で空間での掃除機使用は非常にリスクが有るので注意。
どうしても取れなかったり、すでに奥深く縦トイの曲がり付近まで
溜まっているようなら曲がり部分のLボー接手は品種によれば
接着ではなく捻じ込み式で脱、着が可能な場合があります。
そんな条件なら集水器とLボー部品が離れますので慎重に外して
取りにくい中の詰まりを除去できますが
外れそうか?どうか?は△の位置合わせマークが有りますので
触ってガタツキや回転の遊び代が有れば可能かも知れません。
但し、水下付近では竪樋の固定金具を一部、外さないと抜けないか、
必要な角度まで動かないなど外れそうでも、無理で
何処かで縦トイを切断しないと
集水器付近が脱、着できない場合があります。
逆に、見た目は接着固定されて動かないように見えても
接着不良により簡単に外れる事もあるなど
様々ですが、転落防止の足場仮設が必要など、
危険回避策を優先にすべきなどハイリスク作業とも言えます。
軒トイの途中で堆積したゴミ詰まりは軒トイの勾配不良が多く見られ
ゴミ詰まりの除去だけしても根本的な
排水不良の問題は解決せず垂れ下がり付近から
溜水の垂れ落ちは続くおそれが有ります。
やはり勾配不良の改善策も同時に必要となる場合が有ります。
下図は↓軒トイの中に溜まったゴミ除去前。
余談ですが・・植木職人に剪定の手入れをして貰った時でも、このように樋にゴミが有っても
ついでに対処してくれないのが大半。
(※その場所だけではすまなくなる可能性が有るなど・・)
中には言わなくても、その付近だけは自主的に取ってくれる方が一部あろうかと思います。
庭師作業で使用する特殊な三脚ハシゴは植木など障害物が有る付近での
軒トイ作業には有利な仮設足場なので、出来ればついでにして頂けたら有難いですね。
※本題に戻ります。
最初は少しの堆積ゴミですが、排水しにくい勾配不良の堆積ゴミにはコケが発生しやすい。
軒トイのゴミ詰まりの除去は、やはり足場確保の程度によって
作業効率と転落防止の安全性が異なります。
近年では危険な高所に上がり作業しなくとも下から
CCDカメラなどで状況調査をしつつ画像を見ながら
吸引ホースを下から立ち上げてリモート操作しながら安全に堆積ゴミを除去が
可能で今後はそんな作業スタイルが主流になるはずです。
しかし軒トイの勾配不良による受金物の付け直しや位置替えなどは
やはり仮設足場が必要な高所作業となりますので
先端技術や機械だけでは解決する事は無くアナログ技能の必要性は続きます。
下図は↓通常の手段でチリ刷毛などでゴミを掻き寄せながら、
それらを掬い取る為の軒トイの断面形状に合いやすい手作りの
板金曲げの塵取り用具や掃除機で取り去ったゴミの除去後です。
勾配不良の修正が必要な場合は受金具の固定にグラツキがなく
取付位置も大きな差がなければ軒トイの先端付近や根元付近の受金物を
手曲げするだけで自然な先端の垂れ下がり程度は修正可能です。
いずれにせよ、最初の調査では、どの位置に問題が有るか?否か?は
安全な下から伸縮ポールなどに付けたCCDカメラなどで
調査するのは今後、当然となるでしょう。
小型のドローンで飛行撮影も、かなり実用化にはなりつつありますが
色々な条件や制限が有りますし、やはり最終的な作業は人の手による実働となります。
※トイの材質の違いや経過年数では、うっかり触ると壊れたり状況が酷くなったりします。
水はけ勾配は建物自体が不当沈下や軒先が変化しやすい小屋組の歪など
建物構造自体で逆勾配も有り得ますので全体の状況判断が必要となります。
※4m以内の高さで詰まり付近がどの程度か?は下から物干し竿の先端で
竪樋の曲がり付近を叩くと打音や感触で詰まりと空隙の範囲は
容易に解る場合が有ります。・・が、古過ぎると叩き割れに注意。
次の事例もお楽しみに。