建物が古くなってくると水廻り付近に色々な不具合が生じてきます。
下図画像は↓賃貸コーポの入退去時でトイレ内部メンテナンス前の状況です。
トイレの洗浄ロータンク内部のメンテナンスが優先でしたが、
その他の不具合が目につきました。
まずはタオル掛けが外れかけています。
同じトイレ内部で反対側の紙巻き器も同様に危ない状態です。
取り付けた物でビスなどが緩み徐々に固定部品が外れてきた状態ですが・・
なぜ?入居者が、この程度は自力で直さなかったのだろうか?の疑問です。
理由は・・二つ考えられます。
①賃貸物件なので入居者が直す必要はなく貸主責任なので、
まったく自力対処の必要はない。
※むしろ人によっては危険である事をネタに色々な
クレームを付けてくる場合もあります。
②最初は僅かな隙間などでガタツキが有る程度で
使用には差し支えなかったのが長年に渡り緩み状況が激しくなってきたが
微々たる変化だったので気が付きにくかった。
③外れそうな状態は途中で気付いてはいるが近々
退去予定だったので家主責任なので言わなかった。・・など。
いずれにしても・・ちょっとドライバーで締め直してみれば良いだけですが・・
△締めてもビスが効かず再び緩み誰がやっても・・こうなる事も有ります。
△そもそも、最初に取り付けた専門業者が下地もないのに、
なんとか取付いただけで完了した手抜き工事だった可能性も有ります。
その場合に良くあるパターンとしては取付ビスは
上部と下部の位置に微妙なサイズでの条件が有ります。
どちらかのビスが効けば他方が下地から外れビスが効かないか、
効きにくい状態になってしまう現象です。
結局は必要な下地で取り付け範囲が狭いだけの事かも知れません。
胴縁下地だけの場合は幅が約4㎝なので
この内壁下地ようだけなら幅が狭く二本の離れた固定用ビスは
何れかが外れ気味となります。
この時に耐久性の差で分かれ道になるのが
上のビスが効いたら長持ちし下だけのビスしか効いていなければ・・
このような現象になりやすい事実です。
こうなる事を承知で取付位置の高さを変えて
上部のビスが効く位置に機器を下げて付け直せば
上から下に負荷が掛かる使用条件では、このように
上から外れてくるのは防げます。
例えば高さを1㎝ほどズラしたり同じ穴でもビスの角度を大きく傾けると
裏側の外れた下地が効く時が有ります。
ビス止めの位置は高さだけでなく横や斜めなど緩んでいた同じ穴でも
取り付け角度を意識して替えると
効いていなかったビスが効いてくれることが有ります。
電動工具ならトルクを緩めて使用したり
細めのキリや千枚通しなどで差し込んで裏地の感触を確かめて
ビス方向を変えて取り付け直しも有効策です。
紙巻き器は取付面積が広いのでビスの取付位置を2~3㎝はずらしても
キズは隠れますので修正しやすいです。
取り付け高さを下げる事が出来ない場合は、
せめて取り付け部品の裏側の上部には
接着剤を付けて壁面と離れにくい接着効果を含めたり
ボードファスナーなどの内壁裏面に下地が無い空洞でも
内壁ボードの厚みだけの耐久性範囲でビスを利かす方法に切り替えます。
しかし・・この方法は裏の胴縁下地が中途半端な位置関係なら下地が邪魔をして
ボードファスナーなどの固定機能部品が裏にスムーズ入らなかったり
入っても機能しない事があります。
最悪の場合は建物構造である躯体が鉄筋コンクリートや
ブロック積込み、などがバックの下地なら
中空部分に入れて機能させるボードファスナーや
アンカープラグやAYボルトなどが
奥行不足などで簡単に入りきらない場合も現実にあります。
こうなれば・・たかがビス一本程度の緩みを直す作業が
とんでもない手間が掛かり、それなりの知識と技能、工具が
必要な特殊作業になる場合も有ります。
当然、どこにでも不用意にビスの取付位置を変更して
穴を開け直して取り付け直しを試みると隠蔽されていた
配線や配管を突き破り大変な事態になる必然リスクは常に秘められています。
たかが、ビス一本の締め直しや位置替えといえども・・
侮れない事は確率は低いですが、とんでもない危険も潜みます。
※ビス止めの締め直しなどは電動工具ではなく手回しのドライバーなどで
慎重に締めるのが無難です。
手回しで緩く締めても空回りなら位置を2~3㎝上げ下げして
なるべく上のビスが効くように位置替えが有効。
ビスが効かなければ無理してビス穴を増やさずに強力な
両面テープかシリコン材など接着の併用が無難です。
又は裏側に厚さ9~12㎜程度の合板など裏当て板材を付けて
固定するなど・・手すり取り付けなどで
壁面裏側に下地が無い場合の取付には常套手段が有ります。
次の事例もお楽しみに。