カーペットやCFシートなど敷物系を床張りする事例です。
壁際の歪みや角度の違いなどを事前にピッタリ切り合わせる
基本手順などの参考事例です。
床の平面図は、このようなカギ型の変形した場合の
現場事例を参考に掲げます。
施工する前の状態は、こんな感じでフロアーパネル床板に
専用の接着糊ではなく両面テープで張る場合の簡易内容です。
どんな建物でも一見、真っすぐで、直角のように見えますが
様々な角度や曲がりなどの変化で納まっています。
壁との突き当り付近が大きく曲がってないように見えても
長い真っすぐな定規で直線に切っても、
上手く合わない時が多く、まぐれで合うのは偶然で低確率です。
下図は短辺側の現場状態で色々な曲がり出入りで
寸法や角度の確認合わせで突き付けとなります。
正式と言いますか・・基本的な考え方では
建物の突き付け合わせ側が、どんなに変形や
凸凹が有っても長手方向を基準線として仮想し、
それに対する短辺方向には90度の直角の基本ラインを仮想し
そのラインからそれぞれ何㎝何㎜あるのか?を、
おおまかには90㎝間隔で捉えれば
外枠の変形度合いや必要な寸法は、ほぼ正確に印が出来ます。
下図の画像↓がその一例ですがレーザー光学機器や
水糸張りや床に地墨打ちなどの対処例が有ります。
90㎝間隔で採寸しても壁面の凸凹変化は、
もっと細かく変形していますので
現実は10~20㎝程度で歪み度合いの変形を
カット定規などで写し取ります。
しかしカーペットやCFシートなど端を曲げられる物は、
もっと簡単に変形や曲がりを写し取れます。
その基本パターンが下図の↓事例です。
まずは長辺を長手方向の壁面目標に合わせて
敷物全体の向き(方向角度)を限定します。
その置き方を基本にして、カット定規の幅などの
決まったサイズだけの当て定規をズラしながら切断していくのが
常套手段となります。
これは、天井や壁面、床面などに関しても基本材料の方向性(角度)を
決定し、各部の納まりに支障が無いか?大まかに判断し
もし違いが有っても最小限に抑える為の重要な判断作業です。
この現場全体の出来上がりや施工手順の容易さなどを判断し
作業内容の優位性を左右する場面とも言えます。
次に長手側を切断します。
壁面に当てるカット定規の幅が70㎜有れば、
前もってワザと70㎜をずらして逃げさせたまま
床材が動かないように仮押さえして
壁面の変形に合わせて定規をずらしながら切断します。
次へと進みます。
画像の番号表示がズレたり
表示ミスがあるかも知れませんが悪しからず。
切断の手順は長手から決めていけば置き位置が狂いにくく
安定した変形の写し取り切りが行えます。
そして、最後の合わせ方が↓下図となります。
細長い形状は端だけズラしても中央付近は出過ぎたり、引っ込み過ぎたり
タワミが生じて定位置で仮置きされていない事が有り、
切り過ぎたり残り過ぎたりで失敗しやすいです。
その対策として中間部分は表側に実際に必要な寸法を
養生テープなどを張り印しておけば定位置に合わせられて
切断するべき正しい位置に仮置きが可能です。
材料が細長過ぎたり軽る過ぎたりすると
ズレタリし易いので仮押さえの方法やズレの注意が必要。
ズレやすい場合は誰かに乗っていて体重を掛けておいても
知らぬ間にズレたりしやすいので、針ピンで仮止めも無難です。
下図は↓完成後です。
以上が基本的な施工要領ですが途中で細かい配慮が必要な事が有りますが、
ここでは省きます。
なお長手方向では無く中間のジョイント切りをする短い方向張りも有りです。
カッターナイフで切断の時は下敷きに捨て合板などを敷いてカットしたり
パイルの長いカーペットなどは上から切断するとパイル脚が斜めに切れたり
残り過ぎたり切り過ぎたりなど仕上がりがとても汚くなりますので
ハサミで切ったり裏から切ったりなど色々な工夫が必要となります。
CFシートなどの薄物なら上から定規合わせで切断が有効ですが
カーターナイフは大サイズが安定します。
内装専門業者はCFシート材などは曲がり癖のまま切断できる
内装専用のカット用具が有りますがねすべての場面では使えません。
小や中サイズは小さ過ぎて使いにくいですし
特大サイズのカッターナイフは逆に大き過ぎて使いずらく
不便さも感じられますが各自の好み次第です。
※ノリ付け張りの場合は張る手順で別の要領が必要ですが張る前の切り方は同じです。
ある程度半分くらい張ってから片方は折り曲げたまま入隅カット専用の工具で
切る事も有りそうですが、細かいところまでは無理なので基本は上記のように
ズラして出入り違いの形写し手法が無難かと思われます。
※この形写しでの定規の当て方では大失敗になる落とし穴が色々あります。
長年の現場経験から学ぶ色々なパターンを試して実態を知る
基本技能ノウハウの事前、習得は有効です。
次の事例もお楽しみに。