軽量鉄骨構造の古い賃貸コーポで一階のユニットバス天井裏に
時々ポタポタと水漏れの音がするとの原因調べと解決への対処事例です。
間取りでは一階も二階も、ほぼ同じなので上の階も古いユニットバス。
まずは一階の浴室を調べると昔の古いユニットバスの天井裏に
水漏れらしきポタポタと音がするそうです。
古いユニットバスなので天井裏、点検口は無く
天井換気扇を外して調べます。
天井用埋め込み換気扇の外し方は
①下面のガラリパネルを外します。
真ん中の捻じ込み式や長いバネクリップ二本で差し込んであるだけなど
様々な固定方法ですが無理して壊さないように慎重に外します。
②換気扇本体の固定ビスを4本ほど見えますので緩めます。
すべてを一気に抜いてしまわずに対角線の二本だけは1㎝ほど下げて
安全の為に仮付けしたまま、排気口の接続部品をスライドして
簡単に上下に動けば外れやすくなります。
外れ止めにロックされていたらロックを解除。
③排気ダクト接続部品が上下に離れるのが確認出来たら残りの仮止めビスを外す。
※本体が落下すると配線が切れたりするので慎重に本体を外して配線は
余分な長さが有れば外さずにそのまま別の吊り下げロープや強いヒモで本体を吊るす。
下図は↓天井埋め込み換気扇を外した状態。残っているのが排気ダクト接続部品。
二階の浴室床下が見えますが↑浸み跡が有ります。
床組み下地の根太材は軽量鉄骨なので、まだ持ちこたえています。
しかし床下地板は合板なので水腐れになっていますが・・
上にユニットバスが乗っているので取替えは不可能です。
浴槽が満水になれば300㎏ほどになるので軽量鉄骨の焼き付け塗装されたフレームが
構造材で使用されており根太間隔も狭くして有るので↓合板は腐食しても持ちそうな状態。
しかしユニットバスの脚がアジャストボルトタイプで接地面積の少ない点当たりで据置の場合は
荷重が掛かる位置が根太と根太の間に点当たりの脚が有れば・・いずれは突き破ります。
もし・・突き破っても・・ガクンと何㎝か下がるだけで浴槽全体が階下に落ちる事はありません。
点当たりの脚が根太フレームに半分以上でも直に乗っていてくれるのを祈るばかり。
この状態で脚が抜けそうな膨らみがあれば天井裏から手の届く範囲なら裏当て補強策は可能ですが
今回は必要なさそうなので二階の水漏れ原因だけを調べて対処します。
原因予測で確率が高い順番と内容とすれば・・
①浴室内部の給水栓、接続不良での水漏れか?・・接続直しで解決かも。
②バランス釜など循環パイプと浴槽の接続部品の劣化などの水漏れか?・・補修で解決かも。
③ポリ浴槽本体や洗い場排水パンのひび割れや部品の接続不良か?・・困難かも。
④二階の給水、給湯、排水、汚水・・など設備配管のトラブルか?・・困難かも。
以上の予測で順番に調べた結果・・しばらく原因を掴めず・・最後に辿り着いたのが・・
なんでもない↓些細な原因だったのです。
何でもない事が原因でしたが気付きにくい原因でした。
浴槽の排水ゴム栓の取付ビスが緩み浴槽が満水になれば
ビス穴の緩み隙間から湯水が階下に洩れる現象でした。
この原因を体験してから後年に別現場で2~3回ほど
同じ場面で対処する事が有りました。
今後も、この原因による水漏れは現れるでしょう。
現場が一階の場合は地盤に洩れるだけで被害は見えにくく
水が漏れていても天井裏では無く床下の地盤への漏れなら
ポタポタの音や浸み出し影響は少ないので気が付かないでしょう。
浴槽の裏側に止めてあるビスのナットが緩んでいるだけで
締め直しが可能なら金物を引っ張り気味にして
緩んだ裏側のナットを浴槽の裏面に接触させながら
時計回りに締め直すと緩みが止まります。
押したままネジ回し、しても裏ナットが浮いて
空回りしたりナットが外れたり固着していると締め付けられません。
2~3度は試しに引っ張りながら捻じ込む事で成功するかもしれません。
ダメな場合は浴槽が湿っていたらドライヤーで乾燥させてから
シリコンコーキングで隙間を埋めるなど
防水処置をするか?古いのは緩めて外したり
簡単に外れなければ色々な方法で切断して
新しい交換用の後付けで浴槽の穴から差し込んで
閉めると奥の防水ゴムが開く補修用の部品で付け替えとなります。
問題はスンナリ抜けるか?否か?です。
ヘタすると抜く事も締め戻す事も出来なくなる場合が有り
最悪では・・ポリ浴槽のビス取付部分の穴がヒビ欠けワレも有り。
本当に、そこから水漏れしているのか?否か?を調べるには
水漏れ原因位置として怪しい所から1㎝ほど上まで浴槽を満水にして
時間経過の後に水位が下がりビス穴付近で水面が止まれば、
かならずそこから水漏れしています。
この方法はガス循環式外炊き釜と浴槽の接続部品の外から見えない所で
水漏れしている場所の位置と高さを特定する調査方法と同じの
原因位置を調べる基本的な常套手段です。
たかが、ビス一本の緩みが原因の水漏れ事例ですが今後も有り得ます。
※ビス止めの締め直しや抜いて取替えは簡単そうで、とても困難で余計に悪くなる事も多いので
自信が無ければシリコンコーキングやエポキシパテなどの応急処置が無難かも知れません。
次の事例もお楽しみに。