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雨洩り修理3-3さらなる原因

前ページからの続きです。


雨仕舞いの中間から上部付近の原因を確認しました。

今度は下部付近です。

 

雨水の流れが集中してしまう末端の谷板金付近は
納まりが普通であっても暴風雨などでは吹き込んだり

オーバーフローで漏れやすくなります。

剥がしてみるとスガリ谷付近はこんな感じでした。

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古い防水紙は劣化して薄くなり防水効果はまったくありません。

 

雨洩りした浸み跡が、たくさんあります。

こんな下地の状況は良く有るパターンです。

 

元々、このような谷板金の納まりは水捌け高さの不足で

水が切れにくい無理があります。

 

そこへ板金の端に水切れや水返しの為に折り曲げ加工して

厚みが増し平坦部分から盛り上がりますので入った水は

末端に落ち流れにくく

雨水が中に戻り外に水切れしにくい条件になりがちです。

 

別の納まりでの欠点はやはり

壁際の立ち上がり防水の水返しが無いです。

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良く見れば古い谷板金があり過去に苦し紛れに

重ね置きしたような修理跡があります。

なおさら余分な板金厚さが増しますので

勾配戻りで水の切れが、とても悪い!。

これは段差を付けて下げる訳にはいかない普通の屋根下地、

構造では限界が有り仕方なし。

場合によっては無理やり落し込み段差を付けて

屋根裏、天井裏にドレン排水を設ける場合があります。
 

古い防水紙が谷の下に入りこんでいます

が、これはケースバイケースです。

そもそも防水紙は上部から雨洩りした場合に水滴を

防水紙で受け止め軒先方向に流す為です。

 

その流れ水が谷板金の下に潜ること自体がおかしな話で

谷の上に有って 谷に流れ落ちるのが理想です。

 

しかし谷板金付近は高さを落し込み下げていくべき所が

下がらず板金の折り曲げ加工の厚み増しで

末端の高さは土手のように盛り上がる一方です。

 

谷の上に防水紙を理想の為に乗せても盛り上がった

土手の上なので流れ落ちるべき水は最後に逆戻りの果て、

行き場が無く溜まりとなって雨洩りとなります。

 

結論としては谷板金の下に丈夫な広い防水シートを

敷き広げてその上に無理気味の谷板金を置き

捌けずに中に入った雨水は丈夫な広い防水シートで

最終的に受け止めて軒先まで流し外へ落とせば良いのです。

 

落し込みの段差を付けても無くても防水効果の有る物で

二層ほど下敷きすれば安心です。
 

後は・・

瓦桟木に水抜けが出来ていないので受け止めた水が溜まり漏れる。

 

点ですが・・
これは、この年代の建物にはしかたが無い納まりなので

標準納まりの範囲です。

 

近年、水抜け出来る瓦桟木や瓦桟木を浮かす突起の付いた

チャンピオンルーフの防水シートなどで解決します。

 

要するに表面の瓦を剥がし防水下地を厳重に敷きなおせば良いのです。

 

その後は古い瓦を葺き戻しても雨洩りリスクほとんど解決するでしょう。

まだ野地板へ直接、屋根土を乗せて葺く直葺きではないので

マシなほうと言えるかも知れません

次はいよいよ標準的な対策事例です。

・・次ページに続く。