前ページからの続きです。
ノシ瓦付近に必ず必要な捨て谷板金が無い
大きな原因を確認しました。
次は壁際のノシ瓦積みの上部を剥がしてみました。
納まりが曖昧に成りがちな棟違いの裏側です。
こんな感じの状態が現れました。
これも良く有るパターンです。
何処が致命傷かと言えば・・
①ハフ板の末端が最下部に水捌け処置が
されていないような所に埋まっている。
ここは埋めずにハフ板は短く切り離して地瓦を葺き延ばし
雨水の浸み込みが有っても受けて水捌け対処をすべき所。
しかし現実は屋根下地のハフ板を曖昧な長さで大工さんが
放置した後に瓦屋さんが見て長過ぎるなら
大工さんか?監督さんに地瓦が差し込めるように
ハフ板を切断し直すように言わなければならないはず。
この辺りが各種専門職との関連性で判断が疎かになる部分です。
大工さんと屋根瓦屋さんの双方が
「そのくらいは相手が何とかしてくれるはず」
と責任のなすり合い。
そこを解決するのが施工監理の役目の監督さんですが
・・ほとんど役に立たない事が多いらしい。
誰かから不具合や打開策を要求されたら動くのが基本なので
申出が無ければ自主的に動かない。
※もちろん機転が利き積極的な監督さは居られます。
職人さんに色々要求してもラチあかない時はいざとなったら
自分で捌いてしまう監督さんも居られます。
要領の悪いヘタな職人さんより上手な監督さんも見たことあります。
※こんな方は、やがて独立しました。↑
職人さんだけの立場では解っていても専門外の領域が
曖昧になる事が多いです。
大工さんも事前に予測して切りたくても切り過ぎたら困るので
長めに残し放置しやすい所。
ヘタに切りあけて隙間が空き過ぎるよりは延ばして置き
必要ならば瓦屋さんに切って貰うのが安全。
ハフ板を切り上げるより奥のタルキ材も延ばして
強度を優先にする方が良いのではないか?
切り過ぎてグラグラで不安定よりは伸ばし突き付けて
構造的に安定させるのか?
いずれにしても・・
この部分は常に構造と水仕舞の優先度合いがネックとなります。
大工さんだけでは瓦割してみての納まり次第なので
最初はハッキリと決めかねると思います。
せめて分厚い防水紙や板金板でも敷きこんで雨仕舞い対策を
しておけば多少は埋まっても、切れ込んでも雨洩り対策になります。
これとは別の問題点は
②下地の防水紙を昔ですから薄いフェルトですが下には
張ってはいますが
壁面に立ち上げていない点です。
これも良く有るパターンです。
おそらく屋根瓦の施工時に壁面のラス地板を大工さんが、
まだ取り付けていなく防水紙を張る事が
できなかったかと推測されます。
大工さんの読みが甘かったのと屋根瓦屋さんも
必要性がまだ自覚できていなかったし
多分、間を取り持つ現場監督を付けなかった曖昧な条件が
有ったと結果かと思います。
そもそもこの建物の年代は大きな現場で無い限り
一般現場では現場監督の配置は少ない頃でした。
さて次は・・なにが発見できるか?
次ページに続く。