過去にアップした事の有る内容を
解り易く編集した記事も混じります。
危険な雨洩り修理工事例です。
現場は古い木造建物で壊したいけども
御客様が物入れ代わりに使用中で人は住んでいません。
二階の端付近(ケラバと呼ばれる)が台風など強風で
旧式のセメント瓦が剥がれ一部が落下しかけています。
一階の屋根瓦にも上からの落下物で破損して割れたままです。
この屋根瓦は俗称(セメント瓦)又は
(厚形スレート平タイプ)(2本線タイプ)
など他にも地域によっては様々な呼び方が有るかと思います。
割れた部分の差し替えに必要な瓦は新規製造販売は無く
他の現場で屋根解体時にストックしている場合などで
入手するしかありません。
屋根工事専門店には時々中古販売している所が有りますが、
いつでも有るとは限りません。
瓦の修理はなんとかなりますが問題は
・・ハフ板が剥がれかけて落ちる寸前!
落下したら下は貸し駐車場の屋根なし青空Pです。
駐車物に直撃は時間の問題!
そして、もし・・
人に直撃したら・・大事故になります!
境界ギリギリの建物で、すんなりと足場設置が困難です。
事前の現場調査も建物が古ければ・・
うっかり屋根に上がると踏み抜き転落などで危険!
何処が比較的安全でどこが絶対ダメか?
事前に察知しておかなければ対処は出来ません。
この雨洩り修理は足場仮設・大工・屋根瓦・防水など
多様作業とリスク回避が必要で熟練対処が必要です。
それらは、すべて着手前に事前調査に基づき
全工程の内容を推測し十分な対策で取り組みます。
それでも絶対、完璧は無いので作業時には
念のために駐車は避けて頂く事前策も必要。
取りあえず簡易手順で実施する事を選択して
本格的な足場を外注せずに簡易仮設で着手。
2階の妻側での作業が出来る範囲で、ごくシンプルに
足場仮設をしました。
二連ハシゴと脚立と単管とクランプや
木製バタ板の組合せで最小限仕様です。
足場仮設の安全に関する要所は上部の開き倒れ止めや
下屋根上の脚立の足元スベリ止めなどが重要。
対処度合いによっては、もっと丁寧に足場組は
仮設する必要が有ります。
まず、ハフ板の剥がれ部分をまじかに見ると・・
びっくり!
元々、寸法ミスか寸法足らずで失敗したのを
無理に継ぎ足したのか?母屋端に短い継ぎ当てをしています。
桁のケラバは特に雨水の影響で腐食がひどい!
危険!こうなるには長年の雨洩りを
放置していた為の腐食結果でしょう。
知らずに屋根上から端の方に体重を掛けて身を乗り出すと・・
破損し、確実に転落!労災事故!
・・となります。
この状況は事前に下から見た目の判断で推測済みでした。
とても、やりにくい条件ですが・・ひるまず・・
面倒くさがらず・・嫌がらず・・対処!
こんな場合は電動道具の仕様よりもアナログの手道具で
補修が安全となります。
予定通りに壊れたハフ板は取替えし、腐食したタルキも
一部補強し屋根瓦も差し替えします。
ハフ板の塗装もして完成です。
ケラバ専用瓦は希少な役物なのでストックが無く
予備用の地瓦を切断して納めました。
隙はコーキングで埋めて間に合わせ補修。
中古瓦の役物で左勝手が二枚、手に入れば改めて
差し替えする事は出来ますが、いずれ壊す予定の建物には
必要無いので御客様に事前説明し承諾の上で実施。
場合によっては費用がアップしてでも最初の納まりに
近い仕上げを希望される場合も有ります。
この案件対処は物件の将来的な維持目的と
現状の危険回避の度合いで総合判断が必要です。
恐れていた転落や落下飛散物の被害なども回避しながら、
なんとか解決しました。
これで近隣への危険も無くなり、壊す時までの
雨つゆは十分に凌げると
御客様は大変喜んでおられました。