前ページからの続きです。
いよいよ、現場への着手で
まず、足場の仮設が必要です。
二階の屋根で隣地の境界ギリギリの条件は外から足場を建てて
軒先に達すれば、なにも言う事がありませんが、
そもそも越境しているので隣地に足場を建てる事もできません。
通常の、お隣さんなら臨時足場なら工事期間は
快く応じて頂ける場合がありますが・・
そんな穏やかな工事をする為の臨時足場を立てる為に
御願いをする状況ではありません。
用具の落下も気を付けて、まずは屋根上作業への
歩み板を設置します。
二連ハシゴからの昇り桟橋の梯子足場を固定する為に
地瓦を一部剥がして野地板のタルキ部分に番線をビス止めして
引っ張り応力に耐えられる止め方をします。
この足場を切っ掛けにして目的付近への歩み板を仮設しますが、
まず、その手始めとして簡単に滑り落ち防止の仮足場を
ロープで吊ります。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
横のズレとか踏み面の傾斜角度などは、臨時仮設なので
簡易仕様ですが常に転落防止に配慮します。
色々な臨時処置でも引っ張り応力だけは人が滑り出して急激に
体重の負荷が掛かった時に持ちこたえる信頼性は絶対に必要です。
ロープの縛り方などは基本知識の無い人には・・決してさせません。
僅かな仮設でも自分を含めて関係者の大切な命が掛かっているからです。
負荷が掛ったらスッポリ抜ける縛り方をしたり、
遊びが多過ぎたり危険な角度でロープを掛ける人もいます。
時には偶然できている事も有りますが数ある作業の中には
危険な対処が含まれやすいのです。
そもそも誰がやっても全体としては
全面的に信頼する事はできません。
作業時には各自が随時すべてをチェックしながら
自分の為はもちろん関係者への為にも安全確認をする必要があります。
まずは仮の滑り止め足場を利用して作業位置付近の
地瓦を剥がします。
やはりタルキの有る位置で番線のビス止め固定をして
長期使用に耐えうる丈夫さや、作業人員総数が瞬時に乗った時に
かかる負荷に耐えられる固定の仕方や位置決めなど・・
番線の数量などの判断もしながら歩み板を仮設します。
下図の二枚は編集加工で斜め端がカットされています。
屋根の傾斜に応じた噛ませ物で水平に近い踏み面を作ります。
当然、材料や剥がした瓦の廃棄物を臨時に置く場合も有り、
その荷重にも耐えられる納まりで仮設します。
踏み面は多少水平よりも屋根勾配とは逆の勾配に少し傾ける方が
物を置いた時の自然落下を防止するにも有力かと思います。
ここで重要なのは作業時には瓦の歩き方として、
割れにくい位置を踏んで体重を掛けなければなりません。
それは水下になる瓦の重ね代の約5~6㎝の範囲で踏めば
野地板に接している部分なので割れにくいですが、
すべてに通用するとは限りません。
さらに屋根全体の小屋組を推測して野地板の下に
タルキが有るピッチの位置や桁や母屋材など横架材が
バックにある付近に意識して体重を移動させるのも
野地板が腐食している危険な場合などは
踏み抜き転落防止に有効です。
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