床の表面にフワフワ感が有り、もしかすると
抜けてしまうのではないだろうか?
と、不安になる良くあるパターンで住いの困り事では定番。
台所の床で構造は12㎜の合板下地に
CFシート仕上げ貼りの一般的な納まりです。
プライバシー保護の為にとても見苦しいですが
画像はボカシ加工してあります。
下図は台所と洗面や浴室へ頻繁に通る動線になる通路の床です。
フワフワ感を足で踏み範囲と方向性を調べます。
下図が↓その位置と対処が必要な数です。
途中で流し台方面へとT形に曲がります。
施工する場合のイメージを描きながら作業の順路や
適切な出入り口を推測し現実化を判断します。
下図が妥当と思われる出入口の位置や床下での移動予測です。
これらを決定してから見積り、積算して必要材料や
歩掛り工数などを推測し現実的な難易度や想定されるリスクなど
現場別に特有な諸条件を含めて検討し予算の値決めをします。
下図は↓流し付近です。
左右と正面は据え置き物が有るので補強の必要は無く
動線、通路になる空いている床面の範囲だけ床下からの補強処置となります。
作業位置と対処ヶ所数や想定順路です。
出入り口を兼ねる床下収納庫の取付位置は本来、流し台の手前か
食卓テーブルの下などが位置的には妥当ですが、今回の現場では
洗面や浴室方面の設備配管メンテナンスの為には洗面所床下にも
台所床下にも入れて作業者が外部から出入りできる勝手口の近くがベスト位置。
目的の床下とは離れた別の場所から床下に入れるので潜って近くまで調べました。
隣の部屋からは奥の通気口から目的場所まで入れそうでしたが狭くて通過できません。
床下の高さは束長さが平均15㎝前後、
床天場から地盤までは約45㎝前後で標準よりも少し狭いです。
空間が30㎝ほど有れば、なんとか動きは可能。
建築基準法では確か45㎝が推奨だったと思いますので問題無し。
この床下や天井裏など閉所作業では生理的に無理な人が居られます。
いわゆる閉所恐怖症です。
そして体重オーバー気味な方は物理的に・・無理です。
基礎の下部をハツリ壊して穴の高さを拡大すれば体は侵入出来て作業は可能です。
しかし基礎が弱体化するのと、なによりも水廻りの
設備関係メンテナンスが今後必要となります。
その出入り口としては現在では遠過ぎて不便だし手間が掛かり過ぎ
今後に必要となるメンテナンスのコストも
出入口が遠過ぎて割高になってしまいます。
通気口の高さは約20㎝程度なので細身の方なら、
すり抜け可能かも知れませんが中肉中背では肩や胸付近が通過できません。
過去の事例では床の根太間隔で内寸が250㎜なら根太が45㎜角と
細くて奥行きが無いので通過できました。
無理やり入り一過性の対処だけなら基礎をハツリ拡大する方を選択します。
しかし今回は別の場所に出入り口兼用の床下収納庫を新設する提案をし
御客様も納得されて、その案で実施する事になりました。
目的地の真下にまでは入れなくとも通気口から手を伸ばしカメラで
フワフワ床の裏側を撮影したのが↓下図です。
12㎜の合板を45㎜角の根太材を303㎜ピッチで受けた基本的な床組です。
突き付けジョィン部分には根太の端材を中間にいれて受けています。
手抜き現場では、これすら無くて継ぎ目が
モロに食い違う手抜き工事も稀に有ります。
床表面を歩いてフワフワする部分の裏側には下図のように対処します。
下図は補修のイメージ図です。
床裏の現況を見れば剥離が酷くないので今なら
重ね当てで効果はあります。
余談ですが下図は畳間の床組画像です。
こんな条件なら畳を外し容易に床下に入れます。
以上で、現場での下調べは完了です。
この段階では見積りして御客様への提案をしても受注、契約になるとは限りません。
しかし調査時には、そんな損得勘定で簡単に調べを済ますよりは
丁寧な調査を心がけます。
世の中では意図的に曖昧のまま話を進め、決まった後に
何気なく着手した振りで
「まさか、こんな状態とは予測できませんでしたので、別料金が発生します。」・・など
悪意を前提とした営業方針も有りがち。
最初は安く見えさせて受注、契約して、とにかく
売るのが目的の営業方針では常套手段。
又は出来る限り善処の為に行った事前対処の甲斐もなく
見込みが外れ本当に想定外となるのも有り得ます。
次は床の切断切抜などの現場事例へ続きます。お楽しみに。