前ページからの続きです。
いよいよ建て方です。
既存の外壁に取り付きになり固定しやすいので
安全な手順で組起し、建て起こしが可能です。
ほとんどの既存建物は下部と上部の取り付き部分は
垂直とは限らず様々な転びの可能性が有ります。
その誤差が少ないか?大きいか?で取り付き部分の
出入り調整が必要となります。
既存の屋根と同じ高さで拡張の方法も有りますが、
この現場では一段、落して棟違いにします。
雨仕舞いの都合と建物の形状バランスも考慮して
屋根の高さや形を決定しました。
取り付き部分の右と左は取り付き長さが、
かならず同じとは限らず
それぞれに転び度合いを計測して
上部の接続長さを決定します。
土台付近での取り付き長さの変化は、あまり無く
同寸法で良い場合が多いですが稀に既存建物が変形して
建てている場合も有りますので基礎の段階でも
確認がが必要です。
屋根の小屋組は和小屋の切り妻で、
ほぼ基本型となります。
屋根勾配は既存に合わせて板金横葺きの納まり。
桁と妻梁に窓や大きな開口部が有る部分は
補強材を抱かして補強します。
この開口部上部に必要な補強材は内壁が大壁仕上なら
柱と同じ幅で良く、和風の芯壁(真壁)仕上げなら
薄い物で背の高いサイズの補強材で外壁寄りに入れます。
屋根は既存の屋根材に合わせて
カラーステン板金の横葺き。
既存外壁との取り付き部分は暴風雨の吹き込みに備えて
立ち上がりサイズを多くして水返し対策をルーフィング下地や
捨て谷板金で施します。
最終仕上の雨押え水切りの立ち上げを多くしても
真横からの吹き込みによる雨洩り対策にはあまり役には立ちません。
軒裏は化粧タルキや化粧野地板で和風仕上の基本納まり。
下図は板金屋根材の施工途中で端は切ったり曲げたりする直前で
屋根材が飛び出している所も有ります。
これで雨降りには大丈夫となりました。
次に続きます。