雨洩り工事の原因調査から葺き替え工事に至る
本格的な事例です。
長年に渡り色々な業者が手を付けたにも関わらず
未解決の雨洩りらしく
依頼に応じてまずは現場調査します。
客間の内壁は綺麗に塗り替えしていますが・・
天井が、気の毒なような雨洩りで大きな浸み跡。
隣接する玄関ホールの天井にも確かな漏れ跡が各所に有りました。
天井の浸み跡は雨洩りだけに限らず天井裏に入り込んだ
小動物の排尿跡も可能性が有ります。
天井の漏れ跡が、これだけハッキリしていれば
原因は屋根に上がれば、ほとんど特定、出来るはず。
一番あやしい屋根に上り、その付近の納まりを調べます。
原因調査のコツは限定した読みや先入観も必要で、
まず、それを用いて調べますが原因が即、特定されるような
瓦のズレ・割れ・剥がれなど明確な状況が見られなかったら
ボンヤリと全体を眺め視点を変えるのも有効です。
先入観や思い込みだけで特定し過ぎると
他の関連原因を見落とす事があります。
鳥の目・・虫の目・・のことわざ通りです。
二階の外壁と一階の屋根取り付き部分は、
お決まりの要注意部分。
二階のサッシ窓の防水不良や良く有るパターンでは
戸袋付近の納まり不良など・・。
外壁と屋根の雨押さえ水切り板金付近と
その下の捨て谷の有無など・・。
下図のように棟違い部分は特に納まり不良が多く
信用出来かねます。
和室の客間天井の雨洩り跡↓はちょうどこの真下付近。
地瓦その物の耐久性も大きな原因の一つ。
まずは地瓦を剥がして漏れ跡を確認。
たしかに雨洩り跡もあります。
下図は撮影角度が悪かったために編集加工で
斜め端がカットされています。
位置的にはこの辺りが原因として最有力。
問題は特定し過ぎない事なので他も調査します。
まったく関係の無い二階の屋根にも上り調べると
地瓦自体は細かいクラックが多数あります。
瓦、全体が限界に達しています。
太陽ヒーターが設置していますが調子が悪く
あまり使用できないとの事。
よく見ると・・本体のズレがあります。
本体が斜めに動いた跡が屋根の上に上がれば、
このようにハッキリ解ります。
反対位置から見れば、ズレ度合いが、さらに良く解ります。
そして長期的な水漏れ跡も有り。
このような水漏れは良く有るパターンで
熱交換パネル本体に穴が有り水漏れなら使用不可能。
洩れ跡をたどると貯湯タンクからの
オーバーフローによる漏れでした。
これなら止水用のボールタップ取替えのメンテナンスで
再利用は可能かも?。
いずれにしても貯湯タンク式のヒーター本体は相当な重量物。
もし・・滑落して下に落下すれば水漏れとは別で大変な事故になります。
雨洩りなどとは、もちろん別の話しで滑落事故による
別の大きなリスクとなっています。
次に続く。