前ページからの続きです。
瓦の葺き替え手順は二階の高所から先行するのが常套手段。
下を先に仕上ると上からの落下物で下の仕上材が壊れるのと、
足場仮設が一階の屋根に乗っている場所が有り上の作業が終わり
足場を撤去しながら下部に着手するのが無難。
どうしても足場を残したまま全体を施工する事も有りますが
様々なリスクを伴います。
二階の古瓦を剥がし廃棄物を投げ入れする為にトラックに
飛散防止の養生をして交通状況の合間をぬって投げ入れします。
この投げ入れが出来ない時は別の手段で降ろします。
この廃材瓦の投げ入れ作業も近所に気難しい方が居られたら
騒音などで苦情が入り状況によれば話が、もつれたら
工事の中断にもなりかねませんので近隣への気配りは常に必要。
既存の軒先はモルタル塗りで壊れやすい部分なので
慎重に古瓦を剥がします。
瓦の葺き替え工事では、この軒先のハナカクシ部分が
補修のネックになりがち。
通常は瓦割が変わったり形状が異なるので
既存モルタル仕上が邪魔になったり隙間が空きます。
最終的にはトイを外してモルタル補修をして
塗装色合わせなどが一般的な工程。
その工程を省けるのが、この軒先専用の
カラクサ付き瓦の改善点。
画像では↑向こう側の瓦が立っており手前が裏向きの説明部分ですが
見難いとは思います。
軒先専用の唐草納まりに面戸と云われる出っ張りが付いています。
これで軒先の裏側で既存モルタルと新たな瓦の
通常は空いてしまう波型の大きな隙間を塞ぎます。
当然邪魔になる波型モルタル部分はダイヤモンドカッターで
事前に出っ張りを直線で切断しておきます。
これでトイも外さずに軒先の補修の必要が無くて助かります。
重要なのはルーフィングシートの水下を軒先モルタルの
外に出しまたが・・気になる所。
軒先からルーフィングシートの端が見えますので
完璧な納まりでは有りませんが
水抜き対策を優先しながら軒先モルタルも補修しない
特別な理由で採用しましたが意見と好みの分かれ所。
浮かせた仮設状態の太陽ヒーターも施工には邪魔にならない程度に
空きがありギリギリで施工可能です。
地瓦の施工前に太陽ヒーターを据付固定する為の
ステンレスの太い控え線を先付けしておきます。
信頼できるタルキ材を狙って簡単には破断しない
太いビスか(コーチスクリュー)で固定。
この時に必要なのが引掛けた控え線がビス頭から
スッポ抜け防止のために大きめの座金を被せます。
瓦桟木は普通のモノですが防水シートが特別な納まりで
桟木を浮かせた固定なので瓦が割れたり剥がれても
瓦桟木を止めた釘穴などから直ぐには雨洩りしないように
水抜き対策がされています。
二階の屋根も無事葺き終わり太陽ヒーターを据え付ければ
上部は終わりに近づきます。
次に続く。