雨洩りした屋根の葺き替え工事と同じ現場で
次は和室の天井張替事例です。
目透かし天井板の納まりで床の間がある
座敷きと呼ばれる畳間。
※余談ですが
昔から床の間がある部屋では天井板を張る方向については
決め事が有ります。
特に竿縁天井仕上の場合は
「竿縁を床の間、方向に向けてはならない!」
・・と云われています。
武家社会からの言い伝えで「刀で切腹するはめになる!」
・・を意味するからだそうです。
畳も床の間に向かって縦方向ばかりに敷き詰めると
切腹の間と云われ縁起が悪いとされています。
よって目透かし天井板の目地が長手方向で
竿縁方向と見なすのでしたら・・
縁起担ぎなど気にする人は、かなり居られるので
張る方向は注意が必要です。
※本題に戻ります。
まずは既存の解体から始めます。
内壁面や家具類を汚さない様に養生してから
天井板の解体となります。
長い天井板をそのまま外して、うかつに持回ると内壁や
フスマなどをキズ付けやすいので
出来れば1m程度の長さに粗切りします。
手ノコでも丸ノコでも、その他、色々な切断電動工具でも良いですが
刃物を深くして切断するのは危険。
天井裏には配線などが有り、うっかり切断すると大変な事になります。
手ノコでは水平に近い角度で慎重に切断しますが
この時に手ノコ使いの基本要領が必要になります。
廻り縁は温存するので傷めないように特に注意が必要。
内壁の廻りブチは左官仕上との突き付け部分は
チリの縁が切れて隙間が空きやすいです。
下から天井板を突き上げても剥がせますが
廻り縁が浮かないように特に注意が必要となります。
左官仕上げの仕上げ壁の突き付け部分が上に浮くと
その隙間に壁下地のツブツブが挟まってしまい
下に戻しても隙間がピッタリと付きにくくなります。
廻り縁の天場に残った古釘や異物など突起物は
廻りブチの角を痛めないように丁寧に取ります。
そして古い廻り縁は濡れ雑巾で黒いヨゴレ浸みは
先に水吹きなどで綺麗に拭き取ります。
天井板を張り替えて後から汚れを、ふき取ると
天井板との境目に入り綺麗に取れず
新しい天井板も汚いアクで汚れてしまいます。
古い天井板を剥がしながら別な目的としては
先に対処した屋根の雨洩り追跡調査をしました。
天井を剥がし屋根裏が明らかになれば
既存建物の構造から各所の状況が観察できます。
屋根から天井裏に雨洩りした痕跡を確認し二階の外壁と
一階の屋根の取り付き付近も捨て谷板金や防水シートの欠陥で
小屋梁には雨洩り跡がたくさん確認できました。
画像を拡大しないと解りにくいですが明らかに
屋根の納まり不良による雨洩り跡が見れます。
床の間の天井板も剥がして
解体は終了。
カメラレンズに埃が付着の為に見ずらい画像になり
埃を編集で消しましたがコンディションの悪い
画像は、しばらく続きます。(^_^;)
次に続く。