かなり痛みが激しい古い建物で外壁下見板の補修です。
過去の事例ですが現在も稀に存在する外壁下見板です。
もう製造はされていないかも?
古いタイプの耐水合板の塗装仕上系の外壁板です。
一部補修用に必要でも在庫物を持っている所から
だけしか入手は困難でしょう。
防火性能は、まったく無いので需要は極端に減少しました。
この素材は、いったん痛むと急速に剥がれます。
強風や暴風雨には脆いです。
修理前の状況はトイも外れて、こんな感じです。
見積りの要点は施工範囲を予測すれば働き寸法と
枚数で必要枚数は推定できます。
高さも一枚物で足らず継ぎ足しですが、
これも上に上がり実寸を計らなくても
写真に撮ってからその縮尺や比率で高さ寸法も、
ほぼ推測できます。
しかし・・
現場は間近に見て、体感を伴った現場判断が必要です。
そこで上がって見ますと・・こんな感じでゾクッとします。
あまりにも板金屋根の痛みがひどいのです。
昔の板金は厚ついので、辛うじて持ちこたえているようですが、
明らかに限界です。
うっかり脚立の足を直に立てて
一点に荷重が掛かると屋根板金を突き破って、
さらに部屋の天井も突き破るリスクは大いにあります。
足元にはバタ板の養生仮設が必要であり、もし
タルキも腐食していれば
屋根下地まとめて陥没のリスクもあります。
よって仮設足場の手間掛り予測は標準の
1.5倍以上の予算を考慮します。
危機感は体感と真近に見る現場対処でないと判断を誤ります。
商談も成立し、さっそく施工に入ります。
脚立は今現在は安全上で、ほとんど使われにくくなった
昔の丸パイプ脚立でした。
こんなに高さが、まちまちな現場では足元の
アジャスト金具がとても価値が有ります。
問題は足元が陥没した時に上が外に動き倒壊し
転落する恐れがあるので必ず
脚立上部付近に控えロープで繋ぎ止めます。
常に脚立のバランスが崩れる事を警戒しながら
外壁の張替を進めて完了です。
足場も外して外壁修理の終了と、なります。
このように下見板の長さ足らずで継ぎ手が必要な時は
位置を下にした方が道路から斜めにみれば見えにくいですが
・・雨水が下の方ほど染込みやすいので
防水上の理由で上部が無難かと思います。
継ぎ手の位置決めで見た目だけの判断でも上が小さく
下が大きいほど安定性を感じます。
そんな意味で縦継手のラインは上部が無難だと思います。
この手の外壁材は縦、継ぎ手部分には突き付けや
コーキング目地では無く水切り板金で分離します。
下見板自体の側面継ぎ手は合いジャクリの半被せ仕様です。
とても薄く壊れやすい仕口です。
合いジャクリの半被せなので見る方向次第で
隙間が見えたり見えなかったりします。
やはり・・
見られる方向を意識して被り勝手の向きを
考慮して張るのが大切
です。
逆向きは目違いが大きく食い違い、膨れの隙間で
見た目が悪くなります。
これは波板材や和室の竿縁天井を張る時にも同じ理由で
方向性を検討する場合が多いです。
そして雨の吹き込み方向が多い方角なども考慮して
被り勝手を決めると定まります。
以上で旧式タイプ下見板、化粧外壁合板の補修事例でした。
この手の素材を再び張替えなどで新しい物を手にする事は
今後は無いと思います。