前ページからの続きです。
いよいよ最終段階での瓦の葺き戻し施工です。
もっと念入りにするならば・・
野地板付近のルーフィングシートを
広く張り直しすれば良いですが、
目的範囲内とは逸脱し別な話となるので説明し
承諾の上で今回は除外しました。
元々、有った既存瓦を並べ戻しするだけの
暫定処置として承諾済みです。
こんな感じとなります。
地瓦は簡単ですがノシ瓦積みが面倒なのと要点が色々あります。
瓦用の練り土を盛り上げて地均しして防水モルタルを
表面に塗りつけてから一段目のノシ瓦を並べ積みます。
後から地瓦との面戸部分と似たような変形表面に
モルタルを塗り付け仕上るのはとても面倒です。
図ではこんな場所です。
この時のコツは練り土や防水モルタルの練り加減と
時間待ちの判断かと思います。
ネタは柔らか過ぎず・・硬過ぎず。
例としては饅頭のアンコやバターぐらいです。
コテ押えで形が付けれて、放置していても
ヘタらない練り加減です。
使用、制限時間の範囲は・・
早過ぎず・・遅過ぎず。
例で言えば切手を湿して張った時に張り直しが出来る
早期の修正時期と簡単に剥がす事の出来ない硬化状態との
時間差で変化する取り扱い許容時間の感覚です。
これらのコツを掴むには4パターンの失敗状態の
実体験例が有りますので
それらの疑似体験をする事が技能取得の早道かと思います。
他の施工要領の技能取得でも、ほとんど同じ事が言えます。
標準的な全体の納まり断面図はこんな感じです。
一番上のノシ瓦は図のように本来は雨押さえ水切り板金の中に入り
ノシ瓦に被るのが吹き込みを防ぐには有効ですが後からの補修では、
すんなりと瓦は入りません!
そもそも新築の時から被せずに上に乗せてあるだけの場合がほとんどです。
それは雨押さえ水切り板金の巾寸法がまちまちで有ったり
大きくなり過ぎて普段使っているサイズと、異なれば、
いちいち現場の様々な出入り寸法に合わせて板金を加工するのが
面倒なので定寸法で上へ乗せるだけの場合が多いかと思います。
この辺りが瓦と板金の相互が曖昧な納まりとして、かなり多く
未だに問題点が残されています。
雨押さえ水切り板金を持ち上げれば簡単に大きな隙間ができて
台風の吹き込みでは雨水が入り込みやすいです。
この時に捨て谷板金や防水シートの巻き上げ、立ち上げの
バックアップが必要となります。
後からの補修ではその立ち上げ長さが既存の隙間には入らないので
既存の雨押さえ水切り板金の奥の下まででストップしてしまいます。
そこが空いていれば強い吹き込みなら、さらに奥まで
雨水が侵入します。
よって今回の現場ではシリコンコーキングで埋めた次第です。
そんな配慮もしながら最終的な仕上がりとなり、
こんな感じで終了しました。
これで一応、棟違いの雨洩り工事を粗送りでしたが終了します。
別のパターンも、いずれアップしたいと思います。