古い水洗トイレの水漏れ対処例です。
※この案件も貴重な見立て違いの
失敗例を含んでいますので御参考に願います。
トイレのタイル床に水がいつも溜まっているとの事でした。
何度、拭取ってもトイレ使用のたびに何時も濡れていて困る!
自分のトイレ使用時に使い方が悪いかも?と最初は
思っていたが、そんな覚えもないらしく。
水の溜まり位置はトイレの入り口の横にある
手洗い水栓器具の下に水溜まりが多いとの事。
たぶん位置的にトイレ内にある小さな隅付け手洗い専用の
給水配管か?その排水系統のトラブルかも?との
意見の通りとも思い、当然、手洗い付近の器具を外して見ました。
袖壁の中の配管を調べようとして僅かな隙間をこじ開けようとし
針金など細い物を差込、中の濡れ具合を確かめようとしても・・
上手く行かないので本格的に袖壁の一部を切断して、
中を見ようかと本気で思ったりしながら・・
かなり調べましたが異常らしい所は無かったのです。
不可解な展開となり暫く手を止め冷静に濡れる床を見ていました。
良く見るとトイレのモザイクタイルの床は
和洋兼用型の段付きタイル床面が僅か
少し全体が入口方向に水吐け勾配が付いています。
水洗い掃除した時に奥に溜まりがちな水は外へ
徐々に流れ出るのが理想で当たり前の納まり。
念の為にもう一度トイレの洗浄水を大の使用時の量で
流してから洗浄管を見ていると・・水滴が!
一気に謎が解け水漏れ原因位置が特定できなかった
トリック、サイクル現象が鮮明になりました。
洗浄パイプの穴から水漏れだけの原因は結構多いです。
しかし場所に惑わされ判断を誤ったのは
めったに無く、落とし穴でした。
漏れた、その雫がタイル床に落ちて横に流れ段差を落ち
入口横の手洗い付近の床タイルに到着。
トイレを使用して洗浄水が流れたら、それをじっと、
いつまでも眺めている人はそんなにいなく
直ぐトイレから出るはず。
その後、ポタポタと水漏れし徐々に増えながら
流れ出して下に溜まり、上に有った湿気は乾燥し
時間が経てば上には、漏れた水は目立つほどは残らず
入り口近くの床の下だけ水溜まりが残る現象。
何時間後にトイレに入ると当然入口付近だけ水溜りを確認!
の繰り返しとなった模様。
それを見誤りました。
この程度の問題は・・
早く原因を特定して早く解決できるはず!・・
の自信過剰や先入観・固定観念が災いした、
とても貴重な体験でした。(^_^;)
古い洗浄管は接続パッキンの劣化だけでも漏れますが
管の本体が古く限界まで消耗していれば
パッキン交換だけでは解決しません。
一旦、古い洗浄管を触り動くと、それを切っ掛けに、
あちこちが防水不良となります。
どの程度まで分解と再生が可能か?ある程度、
壊れるのを承知で分解してみました。
一度、事前にバラして見ないと、どの程度の領域まで
取替えが必要か解らないからです。
この現場ではL字管のみ一本だけで問題が有り、
曲がり部分に腐食で穴あきが有りました。
正面からは見えにくい裏側の下付近の位置と角度なので
顔をトイレ床タイルに付けながら見ないと確認できにくい位置です。
※綺麗好きで潔癖症の方は調査だけでも困難かも?
狭所チェックミラーかスコープカメラなどを使用すれば
できますが・・それでも嫌がるかも?
洗浄パイプ曲がりの外側は製造過程の曲げ加工時に肉厚が伸びて
薄い弱点かも知れません。
ピンホールが出来て漏れやすいのは、この位置だと
絞り込み優先的にチェックするのが有効なはず。
取替え時には接続パッキンセットと便器との接続用スパット金具は
ゴムが劣化している恐れが有るので
念の為、新品に取替える事を考慮し
部品の手配はしておくのが無難です。
原因が判明し取替え部品の必要ヶ所や数量が解ったので
再び組戻して水漏れ穴は防水テープで応急処置で
トイレ使用可能状態にして部品調達しました。
後日、取り替えて復旧。全面解決となりました。
洗浄管は直径の違いが約32㎜と38㎜の
二種タイプの違いだけ事前に判別する必要が有ります。
見た目だけの判断ではなくスケールを実際に当てて採寸しましょう。
思い込みのミス回避が必要です。
組み直しの時は取替付近の一部だけではなく全体的に
接続部分は緩める必要が有ります。
径が太いので順番や関係部分の角度に遊びを持たせ差し込みや
逃げ代を持たせないと簡単には差し込接続できません。
古くなって外し、要らなくなった現物が有れば練習で負荷を掛けて
ネジが効く範囲や破壊される限界を壊しながら体感すると
確かな自信に繋がり売れやすい貴重なリパートリーとなります。