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家具類の転倒予防策の事例2/3冷蔵庫②続き

地震で家具の転倒防止策で冷蔵庫の続きです。

 

運、悪く・・こうならない為に多少でも効果が有りそうな対策事例です。

 

耐震策(家具転倒).png

小さな冷蔵庫でも地震などで想定外に動き出すと、それなりに脅威ですが

大きな冷蔵庫が勝手に動き出すと、かなり危険となります。

 

上部付近だけでも転ばないように壁面に繋ぐ事は

過去に何度かしてきましたが最近では上だけでは不安が残り、

下部も引き付けしておく必要性が高まりました。

 

以下の事例では標準的な納まりや条件で対処した参考事例です。

 

大き目の冷蔵庫は裏側の上部付近には搬送の時に掴める把手が付いています。

家具転倒防止策?現状調べ?冷蔵庫?上部?.JPG

冷蔵庫を据え付けたままでは後ろの取付作業が出来ないので

下のカバーを外して前へ引っ張り出す為の準備をします。

 

カバーを外さずに、そのまま前へ引っ張れば

動いて出てくることも有ります。

 

それでも下部の引き付けにはワイヤーなどを

前足のアジャスター金物に引掛けますのでやはり前カバーは

外す必要が有りますし高さ調整用の突っ張り部分を引っ込めてから動かします。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?カバー外し.JPG

前へ簡単に動ごかな場合は固定アジャスターが伸びて

床に突き当たっているはずなので上から見て右に廻し引っ込めます。

※下から見れば半時計方向。

床に突っ張ったまま前へ動かすと床を傷つけてしまいます。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?アジャスターボルトの緩め.JPG

この移動を慎重に対応する場合には床の傷付け防止の為に

下には薄いベニヤ板を敷いて養生してから、

その上を通過するようにすれば床の傷付けは防げます。

 

床板が湿気や白蟻の被害で表面がフワフワ状態なら

重い冷蔵庫のキャスターが通過すると陥没しますので危険です。

 

そんな場合は12㎜厚さの合板などをベタ敷きしてから

重い冷蔵庫などを乗せて移動するのが無難。

 

それでないと車輪は細い巾でしか床に接していないので

集中荷重で弱い床は陥没して突き抜けます。

 

冷蔵庫が前に出たら奥の汚れは取り除き掃除をしてから

奥の壁面や巾木に下部の引き付け用のワイヤーなどを

固定する金物をビスで取付ます。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?フック取付.JPG

使用する金物は色々なタイプが可能ですが、

ここでは簡易なI型フック金物を使用しました。

 

使用目的や必要荷重などによって大きさや太さなどは様々なので

適正なモノを使用します。

 

下図の価格などは参考値です。

金物を固定する要点は巾木や壁面の仕上げ材の厚みだけに

ビスを効かすのでは不安です。

 

その奥に有る下地や構造材にビスの長さが届けば強度は信頼できます。

 

適切な太さのワイヤーやチェーンにスナップリングや

スプリングスナップなどで連結します。

転倒防止金物類の販売価格例(ワイヤー類).png

ワイヤーはステンレスが良いですが高いので

スチールにビニール被膜した物は安くて強いです。

転倒防止金物類の販売価格例(ステン リングキャッチ類).png

引っ張り強度に応じて組み合わせる必要があります。

どれかを特別強くしても意味が無いです。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?ワイヤー先行取付.JPG

冷蔵庫を前に出して奥に金物を固定し、それにワイヤーを接続して

両端から前面付近で作業出来そうな長さを出しておきます。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?ワイヤー先行取付?.JPG

これで下部の引掛け準備は完了です。

 

次は、奥が空いている間に上部の引掛けフック金物も先に取付ます。

 

高さの位置は重要です。

 

理想の位置に付けたくても壁面の中に下地が有るか?否か?なども

とても重要です。

 

この辺りの判断はビスの入る角度だけでも効き場所を狙う事ができます。

家具転倒防止策?冷蔵庫?上部?フック金物取付?.JPG

上の画像では吊戸棚のすぐ横でビス止めの想定位置は壁の裏側にある

下地材や構造物を予測し、やや斜めにビスの取付で構造の柱を狙っています。

 

外れたら角度を変更します。

 

二ヶ所にフック金物を取り付けたらスナップリングや

スプリングスナップなどで取付ます。

 

下図のように冷蔵庫の上に金物が見えないと

動かす時の接続部分を脱、着しにくいです。

 

この現場では上部の引き付けにはワイヤーではなく

チェーンを使用しました。

 

チェーンを必要な長さに切断して無駄な長さは、なくした仕上げ例です。

家具転倒防止策?冷蔵庫?上部?ステンチェーン取付後.JPG

下図は別の現場での被覆仕上げのスチールワイヤーを使用した事例です。

 

余分な長さが有り過ぎてタワミも多く仕上がりが多少、悪く感じましたが

現実的には目線よりも上で置いた物陰などで見えにくい所です。

家具転倒防止策?冷蔵庫?上部?フックトワイヤー取付後.JPG

次に下部の飛出し防止策としてアジャスター脚のボルト部分に

ワイヤーを引掛けます。

 

繋ぎ長さはチェーンで調整した事例です。

この部分は目隠しカバーで見えなくなります。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?ワイヤーとステンチェーンの繋ぎ.JPG

正面の目隠しカバーの取付戻しで

ワイヤーやチェーンなどの見苦しい物は見えません。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?カバー戻し.JPG

下図は別の現場で床に金物を直止めした事例です。

 

正面の方は後で脚隠しカバーで隠れますが側面は丸見えです。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?フックとワイヤー取付例.JPG

拡大図ですがこれなら脱、着は容易ですがモロミエの疑問が残りましたが

御客様は、まったく問題無いのでオッケーとの事で実施しました。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?フックとワイヤー取付例?.JPG

これは同じく左側の拡大図です。

やはり後で全面カバー取付により完全に隠れます。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?フックとワイヤー取付例?.JPG

これが前面の目隠しカバー取付後です。

 

見えている側面は、狭い隙間に入る物を置くので隠れるそうです。

家具転倒防止策?冷蔵庫?下部?カバー取付の完成.JPG

これで冷蔵庫の滑走、転倒防止策は終えます。

 

やはり壁面にビス止めは、どんな場合でも一番、重要なのは壁面内に隠蔽された

配線や配管を突き破り大問題になるか?否か?がリスクとなり

予測判断や回避策は重要です。

 

次は電子レンジなどの転倒、落下防止策の現場事例に続けます。お楽しみに。


管理人仕事着.png