和室の土壁が繊維壁仕上げの場合は
表面が劣化するとポロポロ落ちます。
左官仕上げで塗り替えするなら表面を水で湿らせて浮かせたり
保湿剤の寒天、ゲル状になる剥がし剤をコテで粗塗りしてから
過剰な水分補給で水湿し効果で浮かしからヘラで削ぎ落します。
下地処理をしてから左官仕上げの塗り壁でも表面が
劣化しにくい爪で引っ掻いても落ちにくい硬質の仕上げ材に塗り替えも可能。
工程、日数が必要ですが左官下地に左官仕上げのメンテナンスには普通の対策です。
土壁状態にもよりますが、塗り替え可能なら、そうすべき場合も有ります。
別の案としては4.5㎜の合板下地を繊維壁に直接重ね張りで下地を作り、
その上にクロス仕上げは近年では良くある標準例。
柱のチリ巾が15㎜前後の場合は4.5㎜合板を柱面よりも沈めて壁に重ね張りしても
クロス仕上げの後に10㎜前後のチリが残れば違和感はありません。
塗り壁仕上げを何度も塗り重ねをしていれば柱のチリ巾が少なくなっています。
そんな場合は少し引っ込んだ壁に直接ではなく柱の表面に
4.5㎜の合板や12㎜の石膏ボードを張り少し飛び出し気味の
張り方での下地も可能ですがタタミの端よりも部屋の中に飛び出したり
天井の廻り縁との納まりが中途半端になったりで不具合が生じます。
和室を洋間に改装なら、むしろ、そんな下地の仕方になる事が多いですが
和室の納まりを天井やタタミ床がそのまま残るなら
内壁は、やはり沈みこみの下地作りが妥当です。
そこで問題になるのがエアコンの室内機。
これを、そのままでもやりにくく、外すのは配管や
ガスが抜けたらチャージなどが面倒となります。
そんな場合に配管は接続のままで外壁からの貫通穴を
埋めているパテを取り除き外部の配管を室内に押し込める
長さに余裕がある状態ならば本体を浮かせられます。
そんな方法で吊り下げたままで施工が可能の場合も有ります。
※室内側からだけ、いきなり室内機を中へ引っ張るだけではダメです。
必ず外部の配管に余裕が有り動く事を確認してからの浮かし対策です。
そして余裕が有っても配管や本体を不用意に捻じったりするとフレアー接手が緩み
その場か?後で冷媒ガス漏れとなりエアコンが使用不能となりますのでの要注意。
天井の竿縁にビス止めして、そこから吊り下げても、対処を誤らなければ可能です。
ビスの利かし方など色々なノウハウは有りますが・・そもそも、大切な和室の場合は
竿縁に直接ビスを捻じ込むと‥お客様に怒られる場合が多いし、そもそも反則技です。
この現場では「古いから、ビスでも釘でも、なんでも打ち込んで結構です」と
御客様には御承諾を得ています。
ビスや釘を使わずに天井の竿縁に、何かを吊り下げるなら天井板を差し込み
斜めに隙間があるマツバと言われる所には細長の三角形空間が有ります。
そこに1~2ミリほどの太さの針金を通せば竿縁ぶちの上に引っ掛かります。
これなら、一本で10㎏相当の重量でも吊り下げが可能でから4ヶ所程度か
二本組みで二ヶ所吊りなら大丈夫です。
その他では六尺脚立を立てて、その上に置いて受けたり色々な仮設方法が有ります。
繊維壁の上に4.5㎜の合板を直に重ね張りは色々な止め方が有りますが
繊維壁に木工用白ボンドを厚塗りしてフィニッシュネイルなどで柱のチリから
斜めに柱に対して釘打ちすれば周囲は固定できます。
中央付近は間柱や小舞竹や抜き板などに
フィニッシュネイルを、やはり斜めに打てば、かなり効きます。
天井の廻り縁には斜めに釘打ちしても
奥には効く下地がなにもなく止まりにくいです。
上はボンドが廻り縁に接着してくれるのと壁面に接着が頼り、となります。
浮いてくる場合はボードビスで止めれば土壁の中の竹などに固定できる場合が多いです。
大切な要領としては合板の切り込みサイズは、
決して大き過ぎて無理やり入れない事。
突っ張ると何処かで合板が膨らみ土壁から離れて浮いてしまいます。
そして不用意にビス止めや締め過ぎは合板の表面が凸凹の歪が多くなります。
古い柱や鴨居などアク汚れがついているノでチリ周りは水洗いの雑巾かけで
先に掃除をしておく必要が有ります。
それを怠ると後からクロス張り仕上げの時に周辺に
黒ずみ汚れが付着し後からは取れなくなります。
クロス張り仕上げが終えたら、ある程度は時間待ちをしてからエアコン室内機などの外し物は
もとの位置に戻せますが早過ぎるとクロスがヨレ動いたり汚れたりしますので注意。
やはりエアコンの室内機は浮かせて裏側は、このように
奥まで仕上げをしておいた方が望ましいですね。
どうしてもエアコンを触らない方が無難の場合も多いので、
なんでもかんでも浮かそうと思い強引に浮かしたり触るのは禁物です。
※昔の機種はサイズが大きくて変更になれば、前より小さく、なりがちです。
現在の大きさの範囲までしかクロスを張っていないと機種が変わると張り残しが見えます。
この件で他の施工工程例や参考画像のデーターが不明なので今回は省きます。
次の事例もお楽しみに。