古い木製テラス屋根の修理事例です。
かなり年数が経っていますが標準的な木製テラス屋根です。
まだまだ、このような納まりはたくさん有るはずです。
何処でも見られる今風のアルミ系よりは、
むしろ味の有る木製仕上を好む方も居られます。
無垢の木材仕上は天然素材と人間の動物では自然素材との
共存の関わりでマッチする所が色々と有りそうです。
問題は経年劣化の変色で黒ずんだ色あせや汚れなどで
イメージダウンとなるのが残念な所かも?
修理が必要な所は屋根の波板張替と鉄柱の根元が錆びの為に
腐食して離れている危険な状態。
鉄柱は足元が腐食しておりコンクリート土間に
乗っているだけで足で蹴れば簡単に動きます。
古い鉄柱は後で取り替える事にして、とりあえず
仮設状態で屋根の補修を先に着手します。
取替えが必要な古い鉄柱は前もって自作するか?
できなければ早めに鉄工所などに外注しておきます。
古い波板はポリカーボネートなので徹底的に節約するなら
再使用も可能ですが経年劣化の為に取替え。
笠釘の抜き方は基本要領としてカナズチの柄などを
当て木にしてバールでテコ使いにした抜きが定番です。
波板用の桟木は腐食している部分が多いので
取替えが望ましい状態でした。
古い桟木も波板も両方取り換えるなら・・
古い波板を一本ずつ丁寧に釘抜きして剥がさなくても良いですが
バリバリッと粗く剥せば早いですが廃棄処分の積込時に、かさばったり、
最終処分時に分別が必要なら分離する事になります。
この古い桟木はドウブチ材の薄物を使用している場合が多く
笠釘の先が突き抜けて見栄えも悪く釘の先が露出して
危険な場合が多いです。
取替えする桟木は厚み25㎜以上の巾45~60㎜程度の
下地木材がベストなので変更して改良。
波板を張り替える時の注意点は波板を剥がして
骨組状態だけになっている時はフラフラと変形しやすく、
成り行き状態で、うっかり波板を張ると変形したまま
屋根が固定されてしまう落し穴があります。
新規の波板を張る時には直前に屋根全体が動いて
変形角度になっていないか?を見直して
仮筋交いなどで仮止め固定して対処するなどの処置が必要です。
次の配慮としては・・
波板を張る前は必ず骨組の埃は掃き落とし水拭き掃除しておかなければ
新しい波板にホコリが静電気で付着して、布で擦り取るほど、
よけいに取れなくなります。
白っぽい細かいホコリの付着は仕上後の見た目がとても汚くなり
売り物になりません。
新しいアルミ系のテラス・ルーフ・カーポートなどでも同じで
樹脂素材の面材仕様では常に配慮が必要です。
波板張り始めでは外壁モルタルに突き付ける場合は単に
波板の短辺を沿わして波板の位置や角度を決めると
外壁面に歪みが有ればテラス屋根全体の方向性とは異なる角度になり
曖昧な位置決めになってしまいます。
張り続けると波板の先端が外れ、修正するとノコギリ歯のように
食い違い張りとなり大きなミスに、なります。
この対策は波板張りの基本ノウハウでして配慮しなくても
偶然にラインが大きく外れずに納まる事も有りますが
何度も成り行きで偶然、終えられ事は続かず大切な場面の
大失敗で大恥もかき大損害ともなります。
偶然ではない必然的な結果になる確かな原因と結果が有りますので
把握しておいた方が無難です。
良くある基本例は↓このようなパターンになりやすいです。
今回の屋根、波板張りだけに限らず天井や壁、床でも
成り行き任せで張り進めると、↑こうなりやすいのです。
屋根の骨組角度がグラグラ状態なら位置を決定、固定してから
波板を張り終えたら前もって用意していた鉄柱に取替えの為に
ベストな位置決めを確定します。
上が欠き込み仕口や下が掘り下げ埋込などを定位置に
しなくても良い納まりでしたら
取付位置は有効な場所に移動も可能です。
必要な太さ、長さサイズのコーチスクリュボルトで固定します。
下図の二枚は編集加工で斜め端がカットされています。
コーチスクリューボルトの止め方は
基本要領や配慮が必要です。
効きがバカにならない程度でスムーズに効かせる為の捨て穴をあけるのと、
ボルトが太い首残りの場合は首の沈みこみ部分はバカ穴あけをしておかないと
首がネジよりも太い場合は最後に詰り、ボルトの効きが後で締めるほど
バカ効きになり応力無しのミスになります。
後はモルタルで鉄柱の足元を埋めるなど固定して完了です。
この対処事例は、まだまだ関わる事が多いので基本ノウハウは
マスターしておけばとても有利となります。
機会が有れば是非ともトライしてみて下さい。