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浴槽の袖にタイルを張る段階となりました。
ここは歪み伸縮などの負荷を受けてタイル本体や目地が
破損しやすい部分です。
周囲はシーリングで弾力性のある目地仕上が無難です。
袖の天場となる部分は安定したモルタル下地にバッサモルタル
と呼ばれる空練りに少量の水分を混ぜて硬練りしたモルタルで
高さ調整と共に最終的な下地作りをします。
下図は編集加工で斜め端がカットされています。
昔から現在にも常用される床タイルへの標準工法です。
均しながら木コテで叩き固めつつ微妙な調整をしながら
必要高さへと下地を作り上げます。
最終的には白セメントの柔らかいノロを静かに流し広げて、
やや均一な3㎜程度の厚みに伸ばしてからタイルを張り置きします。
ラインと目地の間隔を同時に決めながら
高さも木片定規などで押えながら表面上を均して仕上ます。
下塗りした白セメントのノロ材は余分な厚みの物が目地から
溢れて湧き出ます。
タイルが動かなくなった頃に余計な溢れ白セメント材を
スポンジコテなどで掻き寄せながら取り去ります。
さらにスポンジに水を湿してタイル表面と目地を軽く水洗い。
この後、安定するまで待ち時間を置き目地セメントで
シーリング以外の目地を埋めて仕上ます。
ほとんど制限時間内で対処する手順と必要な待ち時間を
交互に挟む時間変化の配慮が必要です。
時間に対するセメント系素材の変化反応に対処する技能が
メインかと思います。
早過ぎても遅過ぎても機を逃しやすいタイミング勝負の作業ですので
ヘタして失敗した時と上手く行った時の爽快さや綺麗さなど
成否のギャップがとても大きいモノ創り作業です。
難しくも有り、要領さえ把握すればワンパターンで簡単でも有り、
体感でしか得られない、とても面白いアナログ種目です。
次は天井や床など仕上段階に進みます。