畳間の床を洋風の板の間にする事例です。
まずは古い畳を外して処分します。
一枚当たり持ち込みで約¥500~¥高い所なら¥2500ほどで
引き取り先によって大きな差額です。
昔は畑を作っている方々が肥やし作りの素材に利用したり
野焼きで無料処分できていました。
スタイロ畳などは軽くて処分の搬送は普通に容易ですが
重い本畳は搬出だけでも大変です。
まずは下地作りからですが既存の床下地は平坦とは限りません。
畳間に限らず既存床に大きな起伏が有る場合はを知る為に
上から重ねる場合は特に最初から入念に調べます。
ここで分かれ道となるのが床全体の転びを水平で直す必要が有るのか?
部屋の端から端の縦横方向だけ直線ラインだけの途中起伏を修正するのか?
バカ正直な水平が必要か?否か?の違い。
例えば大きなピアノを置いたり、大きな水槽を置き斜めなら
水面と水槽の縁の空き寸法などで誰が見ても分かるなど・・
この辺りが目的によって大きく異なります。
床の起伏はベニヤ板の厚さや枚数で微調整します。
このコロバシ根太の場合は隣との高さ違いは約2㎜以内の誤差なら
床板のタワミと接着剤の厚みなどで、なんとかなる誤差ですが
理想では1㎜以内の高さ誤差がベストです。
下図は↓六畳間の入り口から見た、転ろがし根太38角のビス止め取り付け後です。
古い畳下地の起伏を調整するのはクサビや厚さの異なる
ベニヤ板のパッキン重ねで接着剤を付けて挟み込み、
根太材の天場、微調整が定番となります。
部屋の周囲は畳寄せの不安定な木材には白ボンドを付けて
ビス止めしておかなければ後で動きます。
いよいよフロアーパネルの直張りタイプの張り始めです。
この最初の働き寸法をどの程度活かすか?
落とすか?が割り付けの大切な判断。
そして最初の突き付け部分の相手側との出入り違いを
削り合わすのが重要です。
その辺りの手順や要領は基本ノウハウとして
マニュアル化されていますが別の機会に掲げます。
最近は12㎜の捨て張り合板を下地張りしてから12㎜の仕上げ張りが主流。
この現場事例では古い畳下地に重ね張りの部類ですが
部分別の納まり呼び名ではコロバシ根太組に直張り施工となります。
転ろがし根太の間に有るゴミや埃は掃除機で吸い取りしてから張り方となります。
中間付近まで張ってきた状態ですが下図は撮影アングルが悪く
平衡感覚が取りにくい転び角度の撮影で見にくいですが悪しからず。
ビス止め位置はクサビや調整パッキンのすぐ上か近くがベストで
38㎜角のコロバシ根太組の場合はピッチは短めで約500~700程度。
45㎜角材使用なら900前後のピッチで可能なはずです。
いずれも通常歩行の場合です。
ピアノや本棚置き場などは受け場所を2倍ほどに増します。
畳下地の床がやや均一なら38㎜の根太下地で12㎜仕上げ板は
薄いパッキン調整で高さが飛び出さずギリギリ納まります。
古い床の高さが盛り上がり38㎜では下場を削り落とす必要が有る所は
薄い木材として58×28㎜程度の規格材が有るので併用します。
※余談ですが・・
丸ノコで切断は色々と工夫しないと普通に切れば表面が捲れたり
端が欠けて大きな傷になるのが解っています。
例えば下図↓のようになります。
こんな感じになって当たり前なので回避策が必要ですが別の機会に掲げます。
中間付近は過ぎて、いよいよ後半になります。
フロアーパネルの組み合わせ要領や釘の打ち方接着ノウハウなどは
別の機会に掲げます。
後半では張り仕舞いとなる最後の手順や納め方が勝負所となります。
この場面は最初の張り始めの時から想定し張りやすいサイズと納まりに、なるように
働き寸法などを換算して最後のサイズを予測して最初のスタート位置決めが必要となります。
最後の一枚で張り仕舞いは多少のツッパリ感が必要な切断寸法で決定します。
そして斜めの角度で組合わせる為に
本実のメン側の角は面取りしておかなければ
本実の目地がスンナリ入ってくれず角が曲がったり
食い込んだりで上手く行きません。
そこで入れやすくする為に先に面取り削りをしておけば
スムーズに納まりやすいです。
そして最後の押し込み下げ場面では端が上に
捲れ上がり傷になるので宛木をして
捲れないように抑えながら斜めのフロアーパネルを入れ込みます。
丁寧にする場合は摩擦場所には床材の当たり面と柱や畳寄せなど
相手の当たり面の両方に適量の水で濡らして滑り込ます事も有ります。
柱の部分は、やり易いですが畳寄せの付近は
入れ込み代が、きつ過ぎると上手く行きません。
ツッパリ感ゼロでもよく、もし隙間ができたら
カラーウッドコーキング埋めがきつ過ぎるよりは無難。
掃除片付けして終了です。
以上が畳間を洋風床板仕上げの事例でした。
※床下地の起伏をクサビやベニヤパッキンで微調整するまえには
隠れてしまう古い既存床のギシギシ音が有れば先にビス止めなどで
床鳴りを解決しておく必要があります。
※後からは手遅れとなります。
次の事例もお楽しみに。