前ページからの続きです。
屋根補修の続きで再び前ページ納まり不良の予測図を
再び掲げます。
どうして水捌けが悪くなるのか?・・は
元々納まりには無理が有る所が各所に存在するのを
断面図でイメージできれば色々な判断がしやすいからです。
三次元で立体的に想像しにくい事は二次元の簡単図に
置き換えれば余計な情報が少なくなります。
そこで形や位置、厚さなどの細さ、太さなどを想像し
それがどの程度重なっているか?を
見た目で解りやすいように実際にスケッチしたり空想すると
判断しやすい時が良く有ります。
どんな大きな家でも図で書ける部分的な小さなピースで
組み合わされている物だ、とも言えます。
取りあえず軒裏を修理する前に一見、位置的にも、
なんの関係もないような所ですが二階の屋根で水吐けを良くして
納まり環境を改善し耐久性を増す為の瓦棒板金葺きに塗装します。
屋根の板金補修や、このような塗装作業では
基本要領として歩く場所を制限します。
屋根上を歩くときに体重の負荷を掛ける踏み場所は
突起の瓦棒部分に限定します。
丸印の部分が歩く場所。
平の部分は広く歩きやすいですが陥没や歪みの恐れが有るので、
なるべく踏みません。
どうしても頻繁に歩行する場合は歩み板や
厚みのある合板などの養生板を敷いて歩きます。
軒先付近の板金表面には逆勾配の、
くぼみが、うっすら見えます。
唐草板金の僅かな重ねが有るだけで勾配が戻りますので
水の切れが悪くなります。
屋根勾配が10/100以上あれば水は切れますがこの現場のように
陸屋根は僅かな勾配なので
薄い板金の折り曲げ加工や僅かな重ね厚さでも勾配戻りで
雨水の自然な流れ落ちには障害となります。
まして板金葺きの平部分を、うっかり踏んで陥没させると・・
さらに深い水溜まりになるので要注意。
塗装をする事で雨水の流れは良くなりましたが
元々、屋根勾配が緩過ぎなので根本的問題は残ります。
本格的に改善するなら、既存屋根の上に20/100以上の
勾配を付けた屋根組の野地板を重ねて作り
再び板金葺きなどで重ね屋根にするのが得策となります。
又は塗膜の厚い弾性系の塗料で塗りつぶしか?
も考えられますが納まりで色々な無理が有りそうです。
軒裏の補修は別の機会にアップできたら紹介しますが、
この件はひとまず、これで終了します。