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モルタル補修塗りの前は、こんな感じで
塗り代の厚みがバラバラです。
既存部分と合わすモルタルは刷毛引き仕上にします。
仕上、一歩手前となる下地モルタルの仕上までの塗り厚を
10~15㎜程度の予定で下地作りをしておくのが都合が良いようです。
10㎜以下の厚さは薄くて伸びにくく・・
15㎜以上の厚さならダレたり剥離したり
不安定となり決めにくくなります。
このモルタル塗りは、とてもアナログ技能でほとんどが
体感と時間差利用の臨機応変に対処する感覚作業だと思います。
モルタルは色々な場面で関わる事は多いですが、このような
外壁面の仕上げとなれば、とていまも難しく、いまだに
材料(ネタ)と上手く折り合いが付きかねます。
まさに材料(ネタ)のほうから時々・・
(お前はワシを言う事聞かせる事が出来るのか?)・・と、
問われているような時が有るように感じます。
コテの大きさ以内で小さな補修面積なら
割と簡単に何とかなります。
しかしコテの大きさ以上で地を抜くと言われる
均しが必要な面積はとても困難で一貫性のある工程と
ネタ材の変化現象を理解していなければ失敗作となります。
塗り始めは表面がデコボコになるので、頃合いを見て
更に定規や木コテで均し整える必要があります。
この・・頃合いを見てが、まことに微妙でして
気候の温度、湿度、風なども影響し絶えず変化します。
有る程度の広範囲な面積になると必要人数の有無で
大きな違いとなり施工する前から、
その結果の是非は予測はできます。
左官工事の塗り壁作業は有る程度の面積以上になれば、
とても難しい専門技能です。
しかし基本技能として今後も必要とされると思いますので
無くならないジャンルかと思います。
出来は良くないですが予算範囲では、しかたの無い処。
いずれ又、クラックが現れるでしょう。
壁の表面に防水塗装をすれば耐久性は増しますが・・
御客様はそこまで望まれていませんでした。
なぜ?・・こんな所にまで専門外に手を出すのか?
割に合わないし・・一人前になれる訳でもなく・・
と、思われる方が、ほとんどでしょうが実は、この辺りまで
手を出して、こそ体感で得られる事が多くあります。
絡んできても対応できるところに意味があります。
どうしても上手くいかない事実と稀にピシッと決まる事も
体感しそのギャップを経験しておくのが目的です。
難しさを体験しておけば色々な未知の案件でも
売り買いの価値観判断がとてもし易いのです。
上手・・下手はともかく・・
「一度でもやった事があるのか?」・・と、
問われた時の対策です。
これで土塀の簡易補修は終わります。
もう二度と手を付ける事が無いと思われる印象深い案件でした。