前ページからの続きです。
基礎工事は簡易仕様で生コンの打設へと進みます。
最近では天場塗りは時間差をつけて基礎用レベラー材などを使用し
当日の施工が主流になっています。
しかし、キソレベラーが固まりかけた頃に生コンが下に
沈下する場合が有り、後から基礎の天場が不陸になっている
失敗例が起こる事が多く有ります。
その為に確実に決めたい場合は面倒でもモルタルで天場塗りをするのが
無難の時が有ります。
生コンを打設して一発仕上げ出来れば言うことないですが
不陸になるリスクも有り、どちらを選択するのか?検討が必要です。
そして基礎の開口部など途切れ部分ではレベラー剤の流れが途切れます。
微妙に高さが狂う事も有り当時はキソレベラーの使用後に何度か
不具合が有ったので採用には不信感を持ち警戒していました。
生コン打設後、最低3~4日以上は放置してから型枠を解体します。
生コンの粗打ちは終えて基礎の本体はできました。
アンカーボルトの埋め込み高さは長過ぎず短過ぎずで
天場塗りを見込んだ露出高さを設定しています。
型枠バラシの時には余計な負荷を掛けると基礎が壊れる事が有り
大バール使いなどでは基本的な要領が必要。
基礎の天場塗りに進みますが昔からの定例策としては型枠には
土壁に使うヌキ板を使用します。
モルタルの型枠にするヌキ板は通りが悪ければ、せめて一辺だけでも
真っ直ぐに手押しプレーナーで加工をして、
その削り面を天場の高さにして利用します。
その後に出来れば巾を10㎝に自動プレーナーで巾決めします。
基礎天場にしたい位置から10cm下げた逃げ墨を打ち、
それを計測の基順ラインとします。
これは昔から伝わっているノウハウで今も生き続けています。
真っ直ぐになった抜き板の天場に10cmを基点ライン墨と合わせて
コンクリート釘25で軽く打ちつけ片方は決めます。
※今ではコンクリートが壊れやすいのでコンクリート用ビス止めが安全。
下の画像のようにヌキ板の巾が10cm無くても片方の辺が真っ直ぐであれば
墨打ちラインから決めて行けば巾がそろっていなくとも、
どんな広い基礎でも天場の水平高さ作りが可能です。
反対側は水平器で天場の高さだけを合せて、やはりコンクリート釘や
ワンチ(挟み用具の鉄筋)で約60cmピッチ程度で仮止めして固定。
※今ではコンクリートビスで止めたりクランプで挟んだりします。
この現場ではヌキ板は廃材を使用の為、上面だけを
まっすぐな物を選別し使用しました。
この後はモルタルを天場に塗り均し、しばらく時間待ちして
水が引いてからコテ押えして仕上となります。
手間はかかりますがレベラーよりは信頼できる昔ながらの工法です。
打設後の生コンは沈下しやすく天場にはブリージングなど
カスが付着しやすいので出来るだけ奇麗にケレン除去しなければ
後で天場モルタルが剥離します。
普通のモルタルで天場塗りを後からするには手間は掛かりますが
まだまだ必要なアナログ作業として今後も残るでしょう。
次に続く。