長らく中断していた、この施工例は、アップ順の前後も有りますが
いよいよ最後の工程になりました。
この段階では貴重な失敗の素が含まれています。
参考になれば幸いです。
洗面所内部が浴室の出入りや洗面の、お湯使用で
湿気がカビの原因も有ったので天井裏に換気扇を付けた排気ダクトの図です。
隣接のトイレ用換気ダクトが有ったので外壁を穴あけせずに
既存と兼用が得策と判断しY型継手で接続しました。
アルミダクトのφ100のサイズを途中で切断しFRPアルミテープで固定。
通気テストも行い問題無しかと安易に当時は判断していました。
結果は・・引き渡し後、何ヶ月か経過後に問題になりました。
建物は古く、天井裏を見れば他の業者が改造を行った形跡が見れます。
昔に建てた当初から問題が有るような構造跡も各所に有ります。
継手が有るのに繋がっていない。↑
二階のリフォーム時にトイレ増設時の汚水配管に邪魔で外してしまったのか?
玄関とトイレの間境なのに↓元々の構造に最初から頭受の横架材が全く無い。
耐震的には、とても危険な構造です。
他にも色々と構造的な欠陥部分は有りました。
※余談ですが
御客様に御知らせしても本音で言えば建物全体と地盤状況では
建替えの方が賢明です。
そんな事は失礼になるので、うっかり言えません。
ならば・・
(アナタの家は建築関係者なのだから当然、完璧な状態でしょうね!)
と、問われればヤブヘビです。
この現場は今までに何度も地震、台風を受けながらも
何十年も住んで来られたのでヘタに報告し不安感が増すよりは
御客様は建物に感謝し、心配過敏症にならず
このまま生涯を全うするのも有りです。
※本題に戻ります。
洗面所の天井裏に取りつけた↓換気扇本体とアルミダクトです。
天井裏の作業は終えて室内側に戻り仕上げ段階。
洗濯場の床と壁付近。防水パンの設置をお勧めしましたが不要との事。
排水金物だけは洗濯ホース接続タイプに取替て改善。
古い洗髪、洗面化粧台は、お気に入りらしいので既存物を再利用。
両側面など大きなスキマが有ってゴキブリやゴミの侵入だった
欠点は塞いで解決。
出入り口の段差は床板の重ね張りと
ジョイント部材で段差も解消。↓
洗濯機上の落ちそうだったコンパネ合板だけで作っていた棚は
耐水性メラミン樹脂の化粧ボードで↓枚数も御要望で増やしたり
湿気、カビ防止。
洗面化粧台の両袖隙間の天場は木材下地で塞ぎ
耐水性の化粧ボードで貼り↓防湿、防カビ用のシーリング仕上げ。
洗濯用蛇口や電気関係の受け口プレートは、
そのままで良いとの事で現状復帰。↓
洗濯機の据付戻しと給水、排水、動作テストも終了で御引渡し完了。
しかし・・完了後の数か月後に御客様からクレーム連絡。
トイレの入り口付近で少し匂いがするような気がするとの事。
この件は洗面改善の着手前から御聞きしていた困り事で
トイレを調べた事が有ります。
古い建物で汲み取り便槽だった後に下水に切り替わり
古い便槽は埋め戻ししていますが残存物は色々と残り隙間から
気温、気圧、などで臭気が漂う定番条件では?と当時は説明済み。
しかし今回のトイレ換気扇と兼用排気とした為に洗面換気扇使用では
Y型継手で外部方向に排気は向きますが若干の逆圧でトイレ内が有圧となり
トイレ室内の臭気が出入り口ドアの隙間などから
ローカ側に押し出されている可能性も有り。
ここは言い訳をする事無く別径路で排気ダクトは
単独で設置の手直し、させて頂きました。
良かれと思った納まりでも別なリスクを想定する判断が必要だった
貴重な事例でした。
次のページもお楽しみに。