洗面所の修理の続きで、まずは見積りの前には
現場調査の段階を念入りにします。
たとえ未定の段階でも御客様の、ご依頼状況によっては
色々な判断によって単なる他者との見積り比較だけか?
又は怪しい訪販業者などが専属の外注先候補探しなどとしての打診か?など
ほぼ解りますので信頼感を得た案件だけは
受注、契約が成立したとした前提の想いで受注されているつもりで調べます。
受注、契約決定した後に着手する為の納まり選択や材料の必要数。
その各種、歩掛りコストを推測します。
対処種別に技能レベルがどの程度の人が何人歩必要か?
具体的に積算します。
そしてどのようなリスクが潜むか?も推測します。
洗面所のその周りにある玄関ホールの内壁クロスも
張り替えて欲しいとの事です。
内壁の現状から下地の材種、工法を見た目や打音で推測し
施工する場合の材料必要数の縦、横、奥行きの長さなどを測ります。
単なる壁面仕上り表面積の数量と材料の働き寸法による材料必要数とは
因果関係が異なり目的によって採寸要領が異なります。
材料の働き寸法による材料必要数は施工に関するノウハウを用いて
実数からロスを含めて必要数の推測をします。
付帯設備の脱、着も必要範囲や復旧、再利用の可能性、
取替の度合いなどは大きな懸案事項となります。
この付帯雑用の絡み数や内容が本件の主体部分そのものよりも
歩掛りコストの占める割合が大きくなったり
実施の際は予測と反する結果を招く落とし穴となる場合が
リフォーム関係では常に有ります。
天井は古い竿縁天井で、この部分は、そのままで良いそうです。
単なる内壁のクロスを張替えでも古い廻り縁の汚れアクを
丁寧に掃除拭き取りが必要となります。
古いクロスを剥がした後に貼る前には拭き取り手間が必要です。
出隅のコーナーは樹脂カバーが付いていますが先付けタイプか?
後付け被せか?
温存するのか?取替か?・・
外してしまいクロスで巻き込むのか?判断します。
玄関ホールの内壁は二種の仕上げです↓クロスと塗り壁。
塗り壁は、そのままで良いそうでクロスだけ張替えですが
取り付き付近は掃除が必要。
洗面の出入り口は片引き戸ですが無理やり納まっている様子で
いまでも開閉が困難な様子。
引き込み側の壁面と擦れているようで隙間の改善が必要。
単なるクロスの張替えだけでは納まらない事は見逃しません。
無視すると後でトラブルとなり責任者の所在と
どこまでが見込で想定外の範囲が曖昧になる事が有ります。
施工技能の場だけではなく受注、段階から常に
多能工・職としての判断が必要となるのが現実です。
建具自体と内法枠も再利用可能か?否か?‥綿密に調べます。
問題の洗面所内部です。↓
床・内壁・天井・設備機器・設備配管・電気系統
すべて、まずは見た目を調べます。
御客様がカビの汚れが酷く自分で剥がしたクロスが哀れです。
浴室と洗面で湿気は漂う場所なので仕方がない所ですが
換気設備は洗面に無いので影響が大きく
カビた原因となりますので天井に換気扇取付が有力です。
浴室は在来工法のタイルですが床に流れた水の影響
越境で湿気原因はかなり有り床下は湿っているはず。
脱衣場の棚は古くクロス張替えには温存できず
取り外す時に壊れる可能性が高く取替が必要。
洗濯機スペースは狭くクロス張替えには給水栓の脱、着が必要。
電源コンセントやスイッチも脱、着だけか?耐久限界なら取替となります。
天井はジプトンボードですが張替えする必要はなく温存出来ますが
イメージ変更なら多種に張替えですが御客様は、
そのままで良いとの事です。
洗面化粧台の横は隙間が大きく
掃除が困難なので↓塞いで欲しいとの事です。
脱衣場の床は洗面化粧台と洗濯機に挟まれて僅かな床スペースですが
通常の間取りでは多く有るパターンです。
洗面台の反対側側面は古い巾木が中途半端↓のままです。
出入り口の片引き建具の下部納まり。
建具の下端は後付けした様子が伺えます。
洗濯機の側面で内壁との隙間。↓
洗濯機用の配線は↓中から取らず外から引っ張っているのか?不明です。
出入り口外側の塗り壁壁面には↓古い配電盤。改良の後が伺えます。
温存する塗り壁との絡みが多いクロス張替えですが、
なんとかなりそうです。
さすがに床だけは湿気が多い現場なので一部を切断し
床下状況は調べないと根本的な大問題が有れば
見積り内容が大きく異なります。↓
開口して床下を調べると、相当古い建物だと解ります。
地盤の湿気が多く室内の換気設備で改良しても無理があります。
床下の地盤には、このままではダメで
簡易な水シートでも敷くなど、なんらかの対策が必要です。
給水管も破損しやすいVP配管なので不用意に触ると破断、破裂します。
床裏は湿気ていますが根太はまだ再利用可能です。
とにかく地盤の湿気が多い。
たぶん排水が一部、土管など古い配管で
地盤に湿気が及んでいるのでしょう。
浴室の在来工法のタイル下や浴槽の入れ替えなどで
根本的にやり替えが必要で
洗面所だけの問題ではない事が解ります。
しかし今回は洗面所だけの改善のみとします。
洗面化粧台の脱着には配管の手加減が大切で
慎重に触れなければなりません。
根太掛けは現状でもまだ大丈夫な様子です。↓
洗面化粧台の排水ホースには防臭キャップがなく
ここからも湯気が上に上がり湿気を及ぼす原因ともなっています。
洗面化粧台は脱、着だけで再利用は可能なので
慎重に外す事になります。
天井裏に換気扇を付ければ外壁にダクト排気するので外部も調べます。
狭いですが新たな排気口は可能ですが既存の
トイレ排気ダクトが有るので
併用も可能らしいですが天井裏で改めて調査が必要となります。
以上が現況調査として最低限調べる範囲でした。
見積りと内容説明の後は、有難く受注、契約させて頂きました。
いよいよ施工に続きます。